姉さん 。【伊黒小芭内】

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『私の名前は温和 Aです。
改めてこれから宜しくね、小芭内』









あれから数週間が経つ
小芭内は私のことを「お姉さん」から「姉さん」と呼ぶようになった。少し照れ臭そうなのが可愛らしい。

だけど、小芭内の顔から愁然が消えることない









「…また、なにか考えてるでしょ」









日の光が良く当たる縁側で二人で座り、私は刀の手入れをしながら小芭内にそう言った。
小芭内は目を見開き、すぐ下を向いてしまう
それを見た私は刀をしまい、手を後ろにつき空を見た

ぼーっとするとあの女の言葉が私の頭を駆け巡る




" あんたのせいよ、あんたが逃げたせいで皆殺されたのよ！！五十人死んだ！ あんたが殺した！ "









「………なら、私も屑だなぁ」







「え…？」









それを聞いた小芭内は顔を上げ私を見る。
驚き、ありえないと顔に出ている小芭内を見て私は噴き出し、優しく頭を撫でた。









「いや〜小芭内のそんな顔初めて見たなあ
私、そんな綺麗な人間じゃないよ？私も屑だよ、小芭内よりずーっとね」









そう言いながら再び私は空を見上げ、話を続けた

そして、こう言う。









「小芭内と同じくらいの時、私も座敷牢にいたんだ
小芭内とは違う理由だけどね？

……私はね、罪人として座敷牢にいたの」









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