。3 ページ5
.
帰ってきてトイレに駆け込みスッキリした私はあれから寝てしまったらしい。
そして私は数時間前にあったことを思い出す。
「…普通に考えてやばいよな。なんだよ家賃払うって」
普通代わりに家賃は払わねえだろ、完全にやばい人って思われたよな。なんなら大家さんにも。
自分の行動に少し引いているとチャイムが鳴った。私は机に置いた眼鏡をかけ玄関へと向かう。
「こ、こんばんは」
「…ばんわ」
「うん？こんばんは？」
玄関を開けるとそこには津美紀ちゃんと弟の恵くん。私は動揺しながら言葉を返した。
「あの、今日は本当にありがとうございました。お姉さんが家賃を払ってくれたおかげで私たちここに住んでいられます」
「あーいいよいいよ。ほんと気にしないで」
「それでお礼と言ってはなんですが…」
津美紀ちゃんはそう言いながら持っていた鍋を私に差し出す。蓋を外し中を見てみると、中には肉じゃがが。
「ほー！凄いね津美紀ちゃん、料理上手だ。じゃあ、お言葉に甘え、て…」
そう言いながら津美紀ちゃんから鍋を受け取ろうとしたのと同時に聞こえるお腹の音。その音を聞き私は受け取るのをやめ、音が聞こえた方を見る。
「…え？え？まさか、君たち」
「き、気にしないでください！！家賃…あんなにたくさんお金払ってもらって、私たちが出来るのはこれくらいしかなくて…！」
「……お腹すいた」
「もう！恵！」
「いや気にするよ！！？ほら、入って！ご飯食べな！！」
津美紀ちゃんから肉じゃがの入っている鍋を受け取り、家に入るよう2人に告げる。
資金ギリギリの子どもから、しかも目の前でお腹空かせている子どもからご飯を受け取るなんて、さすがに私もそこまでクズじゃない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1552人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海(プロフ) - おもしろい！！主人公が姉貴って感じなのがもうたまらん！ほかの小説も読んでます！頑張って下さい！続きまつ待てます！ (2022年1月6日 18時) (
レス) @page26 id: 5a4a023340 (このIDを非表示/違反報告)
Anya(プロフ) - これおもろいなぁ！こーゆー設定の話好きやわぁ！……続き待っとります。 (2021年10月27日 21時) (レス) @page26 id: f79d6adc42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 続きが気になるー (2021年7月22日 20時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コンペーと
| 作成日時：2021年4月7日 17時
