2 絵の描きすぎで停学＆留年した。【呪術廻戦】

63日目 ページ18

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私の式神の梟を先頭に私たちは後ろから迫ってくる木の根から、そして特級から逃げるようにただ走る。









「大丈夫ですか。狗巻先輩」

「しゃけ」


「来るぞ！！」









梟の鳴き声を聞いた憲紀くんはそう言い立ち止まる。
かすかな音をキャッチできる梟の優れた聴力で呪霊が動き出す瞬間を聴き取りそれを梟が知らせ、そして動き出した呪霊を棘くんの呪言で止める。その繰り返し。








「『止まれ』」





「『百歛 穿血』！！」

「戯画操術『拙作 鎌鼬(かまいたち)』」









憲紀くんは血液を両手で挟み矢のように飛ばし、私は筆で巻物に瞬時に絵を描き具現化させる。
鎌鼬は旋風を起こしそれに乗って呪霊に攻撃をした。そして攻撃をしたのと同時に墨となって消えていく。









「Aさん、さっきっから乱発してますけど大丈夫ですか」

「え？ああ、全然大丈夫だよ。
描いて具現化するのに呪力はそんな喰わないから」









『戯画操術 拙作』
私が巻物に描いたものを具現化する術式。呪力の消費は軽いがその分具現化できる時間はとても短い。

それに私は絵は静かな場所で、集中して魂を込めて描きたいから、これは今回のようなよっぽどがない限り使わない。絵にも失礼だしね。









「私なんかより、棘くんは大丈夫？治癒に特化した式神出そうか」

「しゃけ、おかか！」

「それこそまさに呪力喰う式神でしょ。
Aさん術式使いすぎです。ただでさえ酒呑童子出してるのに」









棘くんと恵くん、後輩2人に注意され私は苦笑する。

『八尾狐図(やおのきつねず)』
式神の中で唯一治癒に特化した式神。と言っても、反転術式のように体を治療できる訳じゃない。
「その人の治癒力を活性化させる」ことができる式神。

八尾狐は恵くんの言った通り呪力の消費量は半端ない。天与呪縛により莫大な呪力を得た私だから呼び出せる式神のひとりだ。









「うーん、私は全然平気だけど恵くんがそう言うならやめとこうかな」

「そうしてください」









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