【銀魂】はじめまして。木刀【刀剣乱舞】２

50.高い高い景色 ページ10

廊下で一本下駄を持った今剣とバッタリ会った

「こんにちは」

「こんにちは。どこか行くのか？」

「おにわであそぼうとおもっていました。Aさんもいっしょにあそびませんか？」

何もすることがなかったので頷いた






「あ、きのうのつぼみさいてる！」


庭に着くなり一本下駄を履いてタッタッと軽やかに花壇の元に走って行った


「…よく走れますね…」

「何がですか？」

「あ、いや、一本下駄ってバランスとるの難しそうだし走るって結構体力入りそうだな、って」

「ちからはいりません！かんたんですよ、とんだりはねたりおてのものです！」


えっへん、と胸を張る今剣に可愛い、と小さな声で呟いた


「よかったらはいてみますか？」

「え、いいんですか」


今剣は縁側に座り「どうぞ」と脱いだ一本下駄を渡す
貸して貰った一本下駄を地面に置き恐る恐る足を通し立ち上がってみた


「わ、わ、わ」

「つまさきではなくあしぜんたいにちからをいれてください！」

「っ！そんな無茶な！」


ぷるぷると震え前屈みになりへっぴり腰状態


「うまれたてのこうまみたいですね」

「そんな例えいらなッ！」


バランスを崩しそのまま前に倒れそうになった。もうダメだ、と悟った時気付いたら誰かの手が腹を支えていた


「岩融！」


今剣がそう叫んでいたので後ろを振り向けば岩融が笑っていた


「踊っていたのか？面白い踊りだな」

「ちがいますよ！いっぽんげたをはいていたんです！」

「…下駄を？危ないから遊ぶ時は気をつけるんだぞ」

「遊んではないです真剣です」

それを聞いて目を見開いて謝ってきた
屈辱的すぎる…


「もしや高い景色が見たいのか？」

「は？」


謝る途中何かを感じ取ったのか岩融は鮫のような歯を見せ笑った


「叶えてあげよう」


するといきなり岩融が自分の脇を支え抱き抱えたと思うとそのまま上に持ち上げられた


「な、な、！？」

「どうだ？眺めは」

「降ろして！！」

「ん？もっと高くか？」

「言ってない言ってない！！！！」

「わあ！岩融！ぼくもやってください！！」





その後岩融の片手で天まで上げられたAは青い顔をしながら「吐く吐く吐く！！！！」と叫び、隣の今剣はキャッキャ！と喜んでいた


「仲がいいねえ」

「よし！俺も混ざって来るか！」

「鶴丸さん！貴方は余計なことしでかすから行かないで！」


縁側で青江と鶴丸、燭台切はそんな光景を見て微笑んだ

51.嘘が下手→←49.亀甲

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す