【銀魂】はじめまして。木刀【刀剣乱舞】２

45.狐の長い髪の毛 ページ4

「髪がうねる」

雨が降る今日、Aはブルーな気持ちで髪をいじる


「主人も大変だな…」


大部屋で寛いでいると白髪まじりの頭と白髪を視界に捉えた

「今日も髪を梳いてくださいませ！」

「またかよ」


審神者に手櫛を渡した小狐丸はとてもにこやかに笑う


「男が男の髪を梳くのか？」


Aが2人に問うと、審神者は彼女を見て笑う


「お、髪梳くのに興味があるのか？」

「え、」「変わってやる。じゃあ俺は用事があるから」

「ぬしさま！」


小狐丸の呼びかけに手を振って出ていき、Aは渡された手櫛をじいっと見つめる


「お主が余計なこと言うからぬしさまがっ…、何をする」

手櫛を持ちいざ小狐丸の髪の毛に櫛を通した
それにおお…、感動の声を漏らし梳いていく


「折角貸してもらえたので」


まるで幼児が着せ替え人形の髪の毛に櫛を通すような雰囲気を醸し出す


「絡まらない、ストレートめ…」

たまにブツブツと呟くA
髪を梳くのが荒々しくなってくる

「おい！髪が痛む！」

「あ…すまない…つい」


そう言ってまた一定のペースで梳くA
しかし…と小狐丸が話を始める


「初めてにしては梳くのが上手いな。誰かの髪でも梳いた事あるのか？」

「え、そうですか。主人が…万事屋だからですかね？」

「よろず…何でも屋？」

「はい。散髪とか任された事もあって…まあふざけるのが多いですがやる時はやるって感じです」

「…どこかの皇族とか武士とかじゃないんじゃな」

「いや、昔侍やってたみたいです。私その時いなかったんでわかりませんが」


段々小さくなる声音に小狐丸には「昔も持っていてほしかった」と聞こえた


「お主…ッ！」

油断していると梳かしていた手を止め、背中に倒れ込んできた


「なっ」「何でこんなこと思うんだ。ぐるぐるして気持ち悪い…」

それは先程のことを語っているようだ


「……」

小狐丸は黙って後ろに手を回し彼女の頭を撫でた


「物がその感情持つのはおかしいと思うがそれが普通じゃ。持ち主の一番になりたいのはどの刀剣も同じだからな。だから悩むことは無い」

それを聞いて余計に髪の毛に顔を埋めてくる


「…女みたいな匂い…」

「嗅いだことないじゃろ」

お互いに笑ってその場の雰囲気も軽くなった



その時廊下を歩いていた五虎退が二人の姿を発見した

「ひっ！髪の毛が人を食べてる！？」

本丸都市伝説に『小狐丸の髪の毛は人を食べる』という噂が広まるのをその時の2人はまだ知らない

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