【銀魂】はじめまして。木刀【刀剣乱舞】２

56.うぐいす ページ16

ほーほけぴょっ


新雪が降り積もった中庭を見ながら歩いている鶯丸は障子が締まる部屋の中から真冬に似合わない鳥の鳴き声が聞こえた


障子を開けるとそこに居たのは


「あ、丸のほうだ」

平野、前田、Aの3人だったのだ
鶯丸が辺りを見回す


「…はて？鶯の鳴き声が聞こえたはずだったのだが…」

「鶯丸様、鶯の鳴き声聞こえたのですか？」

「ああ。少しおかしな鳴き声だったんだがな」


そう言うと平野は落ち込んだ表情になる

「でも鶯には聞こえたって言ってましたよ！」

「そうそう！聞こえたのには変わりはないから！！」


前田とAは必死に平野を慰める。その場面を見ても鶯丸は分かるはずはない


ほーーほっけひょ


また聞こえる声に鶯丸はそちらを見るとそれは何かを持った平野だった


「これが鳴き声の正体です」

「それは？」

「鶯笛。主君から貰い受けました」

「ほお、それが鶯笛か。このような形をしているんだな」

「ただ…上手く吹けなくて…音が裏返ってしまうんです」

平野は残念そうに眉を下げる


「僕もさっきやってみましたが無理でした」

「鶯丸さんは吹けますか？」


Aの問に鶯丸は少し考えてから「どれ」と鶯笛を受け取った

鶯丸が笛に口を付けると


ホーホケキョ


先程とは打って変わって綺麗な鳴き声が聞こえた。3人はおーっ！と喜びの声をあげる


「流石鶯丸様！やはり鶯丸様は本物の鶯みたいですね！」

「はっはっ。初めてやったが案外出来るものだな」

「嫌味ったらしい」

「もし良かったらやり方教えて頂けませんか？」

「僕も！お願いします！」

「教えると言ってもうまく説明出来ないぞ」







平野と前田は鶯丸に吹き方を教えてもらい数分後2人は綺麗な鶯の鳴き声が出来るまでになった


「でた！出ました！」

「良かったな」

「鶯丸様ありがとうございます！主君に聞かせてきてもいいですか！？」

「ああ、主も喜ぶぞ」


鶯笛を持ち手を繋いで主の元へ2人は駆け出して行った。その様子をみて鶯丸、Aは微笑む


「あ、質問なんですが鶯ってはつじょう期の時に先程のような鳴き声で雌を引きつけるらしいですよ。どうなんですか？」

「何故それを俺に」

「鶯って付くし雄ですよね」

「…なら実践して見せようか。今夜俺の部屋に来たら真相が分かるぞ」

「…それって鳴かせる、の間違いじゃないか？」

「それはどうだろう」


はっはっは、と笑ってお茶を啜る鶯丸を見てAは恨めしそうに睨んだ

57.2人で→←55.本(和泉守兼定リクエスト)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す