【能面の死神】 (ページ2)

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【第1話】ページ2

校門へ着くと、りっちゃんと会長がいた。私は、二人が無事だという事に安心して息をついた。

「Aさん、顔色が悪いようですが…一体何があったのですか？」

会長は心配そうに私の顔を覗き込んだ。私は、息を整えてから二人に能面の人の事を話した。

「なるほど…話は分かりました。律華さんはAさんを家まで送ってあげて下さい。私は先程の事を先生に報告しに行きますので」

「分かった、会長も気をつけてね」

私達は、会長と別れて学校を後にした。いつもの帰り道でさえも、いつあの変な人が現れるか分からない…私の心を読んだかのようにりっちゃんが振り向いて言った。

「大丈夫だよ、A。何かあったら、あたしが拳で戦ってあげるからさ！」

「ふふっ、りっちゃんらしいね」

「あははは……っえ？」

すると、りっちゃんが顔を真っ青にして叫んだ。

「逃げて！！！」

「え？」

「いいから！！」

私は訳が分からずそのまま家まで走った。りっちゃん…一体どうしたんだろう？まぁ、明日学校に行ったら聞けばいっか。

この時、私はりっちゃんが一体どうなったか知らなかった。あの時、私がりっちゃんの手を引いていれば助けれたのに…。