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悪友同盟
藍沢が歩きをとめ、いぶかしげに俺をじーっと見つめる。
…体の関係を望んでいると思われたかもしれない。
もっと広い意味で「遊び」といったのだが、
今初めてお前を警戒する、と言わんばかりに彼女の大きな瞳があまりに動かないので思わず吹き出す。
遅いよ藍沢、そんなところがかわいくて好きなんだけど。
「そんなに警戒しないでよ。彼氏とかそういんじゃなくて、仲のいい友達として。お互い気の満たされる関係っていうのはどう?俺も部活以外のところで楽しみたいしさ」
歩道のど真ん中に立ち尽くしている藍沢を自分の内側に引き寄せ、後ろから来た自転車を通す。
俺に肩に触れられてハッと後ずさる藍沢。
『…要は一緒に遊んでくれるってことだよね?』
「そうそう」
『…買い物とか付き合ってくれるわけ?』
「お望みとあらば」
『私にスイーツ店連れまわされてもいいの?』
「それはおもしろそうだ」
少し渋る彼女に考える隙を与えないよう頷き続ける。
「カラオケも?」
「俺歌には自信あるよ」
俺の可笑しなほどのノリの良さに、ついに彼女が噴き出す。
『ほんとに?…うーんそれは、ちょっといいなあ…』
「はい、じゃあ決まり」
にっと口角を上げて得意げに藍沢を見る。
『…赤葦、イメージと全然違うんだけど』
「俺のイメージって何」
『真面目でいい人』
「その認識で間違ってないけど?」
先ほど半ば言いくるめられたことに少し拗ねているのか俺を上目遣いで軽く睨んでくる。
でもそれが逆効果だって知らないんだね。
いい子じゃない君に、いい子じゃない俺
まさに悪友
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もふもふぷりん - この作品めっちゃゃ好みです。こういうのあんま見たことなかったんですけど、はまりました。 (2021年6月14日 23時) (レス) id: 3a2887f079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2020年6月2日 0時