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「お前ら席つけー出席とるぞー」

「藍沢」
『…ハイ』
「んだよ1人目から元気ないなー。次、赤葦」
「はい」
「石田」
「ウース」








始めて間近で見た彼女の印象は、これまでのイメージとさほど変わらず、おとなしく、静か。


休み時間に時折話す親しい友人たちといるときだけ、口元を緩くした。


彼女と仲良くなろうと、男女問わず果敢にも何人かの生徒が彼女の周りを囲むも、


当の本人は親しい友人意外との付き合い以外には一線引いているように見えた。





部活謹慎というのは本当らしく、

普段はよく後頭部の高いところで1つに結ばれていた髪が下されており、

放課後真っ先に教室を飛び出していくはずが、ぼんやり窓から空を眺めていたりする。



その時の彼女には以前踊りの最中に見せたような自信に満ちたオーラはまるでなく、


簡単には人を寄せ付けず、隠しきれない憂いを帯びている。



「じゃー課題うしろから集めて」



うしろから回ってきたノートに自分のを重ねる。

保健室で触れた以来のその肩を、トントンと小さくたたく。



彼女が振りむき、小さく舞った髪の毛は彼女の香りを振りまきながら俺の手の甲をかすかにかすめた。


ゆっくりと彼女が振り返り、くっきりとした目元が流し目気味に俺を捕らえる。








「課題うしろから回ってきた」

『あ、うん』





女子にしてはおちついた声色。


それがまっすぐ俺に響いてくる。





彼女は重ねられたノートを両手で受け取った。






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もふもふぷりん - この作品めっちゃゃ好みです。こういうのあんま見たことなかったんですけど、はまりました。 (2021年6月14日 23時) (レス) id: 3a2887f079 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiki | 作成日時:2020年6月2日 0時

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