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2年、春。
学年の一部ではとある噂が流れていた。
「ねえ聞いた?藍沢さんの話」
「聞いた聞いた!彼氏がいるのばれて部活謹慎になったってやつ」
「相手他校のサッカー部の先輩だって」
「真面目そうに見えたのに意外だったよね」
彼女は数週間前、1週間ほど他校の男子と交際したことがばれ、部活謹慎になったらしい。
始めは驚いたが、不思議なことにあまり乱されなかった。
彼女の事は最初から「手に入れてはいけないもの」という認識があったからだろうか。
それとも、彼女はそれほど誰もが手に入れられないほどの存在という事に高揚したのだろうか。
……好きな人がいたのかどうかくらいは気になるけども……
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もう聞くのも何度目かわからない話を繰り返す女子の集団を無視して2−2と書かれた看板をくぐり、自分の席を探す。
出席番号は2番。
この苗字なだけに、1番でないことはとても珍しい。
自席についてふと前に座る女子を見ると、見覚えのある栗色の艶髪。
春風に乗って香ってくる薔薇のにおい。
心臓が徐々に徐々に早くなっていく。
2年、春。
進級し新たなクラスで始まる1日目、彼女、藍沢Aは俺の前の席に座っていた。
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もふもふぷりん - この作品めっちゃゃ好みです。こういうのあんま見たことなかったんですけど、はまりました。 (2021年6月14日 23時) (レス) id: 3a2887f079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2020年6月2日 0時