甘い日常 (( 永瀬 廉 ))

14: 喧嘩をしたら。 ページ14

俺らの喧嘩は、いっつも些細なことから始まる。






初めて喧嘩したときはどうなるか分からへんくらいやったけど、今ではなんでも言い合えるからこれはこれでええ関係なんやないかなって思う。





今日もほら、部屋の隅っこで膨れっ面してるA。








喧嘩すると口聞かんようになるけど、お互い寂しがりややし、気がつくと傍におるっていうのがオチ。






ソファーの上でくつろぎながら携帯触っとったら、俯きながら隣に座ったA。




『 どうした？ 』




「 … んーん 、 … 」






俺の肩にちょこんと頭を乗せて、少しだけ体をもたれ掛けさせてるA。

これがAなりの仲直りしたいアピールなんやなって思うとたまらなく愛おしくて、





肩を抱き寄せておでこにキスしたった。





『 もう拗ねてへんよな？ 』




「 うんっ 。


… ありがと、廉 」






仲直りできるんやったら、なんぼでも喧嘩してええわ。




でも一方的に傷つくとかそんなん嫌やん？


俺はそんなこと絶対させへんよ、離さへん





なんて心の中で誓って、







腕の中で幸せそうに笑うAに、もう一度キスをした。








( fin. )

15: 秘密恋愛 。→←13: そばに居たい 。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す