【実況者】こんなに好きなのはあなたが初めて【キヨ】 (ページ45)

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キヨside ページ45

Aのと自分のゴミを捨てていると上から声が聞こえてきた。

｢キヨ～電話鳴ってるよ～｣

相手はフジらしい。
そういえばあいつもAのこと好きなんだよな。
まさか今から来るとか…？
いやまず俺がここにいる事を知らないからそれはないか…

モヤモヤしながらもアイスと体温計を持ってAの部屋に戻る。

アイスを食べ終わった頃、再び俺の携帯が鳴った。フジからだ。
あまり出る気にはならなかったけど、出ないとAに変に思われそうだったから、一応許可を取ってから電話に出る。

『お前どこにいるんだ！！』

電話に出るとフジの怒鳴り声が聞こえて、うるさすぎて耳から携帯を遠ざける。

｢どこって…｣
チラッとAの方を見ると目が合う。
こいつんちだよ、なんて言うわけもなく。

｢別にどこでもいいだろ｣
『良くねぇよ！今日動画撮る予定だったろ！！』
｢あ、やべ｣
『やべっつったな！？』

完っっ全に忘れてた。
フジの声とは別に、遠くの方から｢ふざけんな！｣｢このやろー！｣とか聞こえてくる。
文句を言ってるのはこーすけで、ひたすら爆笑してるのはヒラだろう。

謝って明日にしようと再度約束を交わす。
次忘れたら夜飯奢りらしい。
これは忘れるわけにはいかない。

なんとか電話を終えると、携帯を床に放る。

｢動画大丈夫なの？？｣

Aに聞かれて声が漏れていたことに気づく。

大丈夫と言ってAの頭を撫でる。
本当にこいつは人のことばっかり…
少しは自分のことも考えろよな。
まあそこがいいところでもあるんだけどよ。

なんて思っていると小さな声で｢いいなー、楽しそう｣と言っているのが聞こえた。

楽しそう…なのか？？
そういえばこいつ、俺達のファンなんだっけ。
ファンからしたら羨ましいものなのか…

少し考えたあと、お前も来るか？と誘ってみる。
こーすけたちも喜びそうだしな。
Aは邪魔になることを心配していたため、パンケーキの味見役の話をしてみると快く受け入れてくれた。

｢じゃあまた明日な｣
｢うん！また明日！｣

そう言って俺が見えなくなるまで手を振ってくれている。
明日も会えるんだな～なんて思いながら家に向かった。