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74話 ページ24

それから数日、Aは鳴屋敷の道場で、善逸の対峙していた。


「ひぇっ!!」

『逃げない!!』

「うわっ!」

『逃げてる間に鬼は襲ってくるよ!!』


木刀を振りかざした。

結果、善逸は簡単に飛ばされる。


「っ!」

『すぐ立って!さっきも言ったよ!!』

「霹靂一閃!!」

『遅い!!まだ!!』


Aは善逸と向き合って、型を打ち付けた。



善逸は窓際で汗を拭っていた。

そこにAが竹筒に入れた水を差し出す。


『はい、飲みなこれ』

「あ、ありがとうございます」

『それ、少し塩入れてるから一気に飲まないようにね、しょっぱいよ』

「塩?」


善逸が首を傾げると、Aも隣に座って、風に当たりながら笑った。


『こうして沢山汗をかいたら、体の水分が飛ぶでしょ?
そしたら水を飲むんだけど、それだけで補えない部分を塩で補強するんだって』

「へー……」

『んで、これも舐めるといいよ』

「……これって、金平糖?」

『そう、水分、塩分、糖分。これらが大事なんだよ』


Aが笑うと、善逸は頷きながら水を飲む。

少しづつ飲むと、思ったよりしょっぱくなくて。


「あれ、思ったより飲みやすい」

『ふふっ、ゆっくり体に入れるのが大事だからね、少し嘘ついた。
塩分も摂りすぎは良くないから』


Aは風を感じながら、善逸の頭を撫でる。


『善逸、あなたは壱ノ型だけ。獪岳は壱ノ型以外が使えるのよね』

「……うん。
おねえちゃんは、全部使えるみたいだけど」

『私の話は置いといて。
善逸、あなたは壱だけを極めた、結果いつか必ず私を越えられる』

「え?でもおねえちゃん、歴代の鳴柱でも最強なんでしょ?
爺ちゃんも言ってたよ、雷の呼吸でおねえちゃんを越える人はいないって」

『それは誇張しすぎ、雷の呼吸を使える人が少ないから、基準値が足りないだけだよ』


Aの言葉に善逸は困惑した。

だがAは空を見上げて微笑んだ。


『善逸には、私ができること全てを教えてあげる。
雷の呼吸は主に速さだから、これらを叩き込んであげる』

「え」

『善逸には、私を超えてもらわないと。
できれば獪岳と二人でがいいんだけど』

「アイツと俺の相性悪いの知ってるでしょおねえちゃん、無茶言わないでよ」

『アッハッハッハッハッ、ごめんごめん』


Aは立ち上がると、善逸に手を伸ばした。


『はい、続きやろう』

「嫌だなぁ……」

『わがまま言わないの』


再度Aと善逸の二人は向かい合った。

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やぁと(プロフ) - 柚葉さん» コメントありがとうございます!優しい彼を描けて良かったです。ラストはすごく悩んでできたシーンなので、涙を流していただき感無量でございます。ここまで長々とお付き合い頂きありがとうございました!またの機会がございましたらよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月25日 20時) (レス) @page49 id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 完結おめでとうございます!実弥さん推しの私ですが、こんな実弥さん大好きです!ラストは涙流しながら読みました。 (2021年11月25日 19時) (レス) @page50 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
やぁと(プロフ) - 金平糖さん» 再びコメントありがとうございます!どうにか無事に完結を迎えられました!感動的なラストを金平糖様にお届けできて幸いです。長々とお付き合い頂きありがとうございました!またの機会がございましたら、その時もどうぞよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月25日 17時) (レス) @page50 id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 完結おめでとうございます。最後の最後でどばーーーっと涙が… 本当に、完結おめでとうございます! (2021年11月25日 17時) (レス) @page50 id: 63ca64d519 (このIDを非表示/違反報告)
やぁと(プロフ) - 実弥&左馬刻&勝己LOVEさん» 原作とはかなり性格違ってるのでは?と申し訳ないと思いながら書いてるのですが、喜んでいただけて幸いです。これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月14日 23時) (レス) id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月27日 17時

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