検索窓
今日:16 hit、昨日:5 hit、合計:38,806 hit

63話 ページ13

それから四日、実弥が帰ってきた。

Aは風屋敷で実弥の帰りを待っていた。


「A!A!
大丈夫!実弥ハ帰ッテクル!」

『それは疑ってないけどさ』


緊張しながら実弥の帰りを待っていると、見えてきた。

実弥が漸く帰ってきた。


『……実弥…』


安堵から漸く肩の力が抜けた。

実弥もAに気がついていて、彼女が目視できるようになると、こちらも安堵した表情を浮かべる。


「A……」


お互いが同時に動き出した。

実弥の肩に止まっていた爽籟と、Aに抱かれていた雷生は、各々離れた。

ほんの一瞬で二人は抱き合っていた。


『おかえり、実弥』

「あァ、ただいまA」

『やっと、会えた』

「無事でよかった。A。
おかえり」

『っ……ただいま、実弥』


二人は一度離れると、お互い顔を見合わせる。


『話したいことが、沢山あるんだよ実弥』

「聞かせてくれよ、A」

『絶対だよ』


二人は触れ合うだけの接吻の後、またお互いの存在を確かめ合うように抱きしめあった。


『会いたかったんだよ、実弥。
ずっと、ずっと、実弥に会いたかった』

「俺もだァ」


Aは実弥を強く抱きしめて、実弥の肩に顔を押し付ける。

少し呼吸すると、全身に実弥の匂いが満ちる。

落ち着く匂い。


『実弥、好きだよ』

「あァ」


そんな二人を爽籟と雷生は、塀に翼を休ませて見守っていた。

ずっとお互いに会えることをソワソワして待っていた二人。

どうか、今この瞬間。

二人がそれぞれの任務で生き抜いた今この瞬間だけは、どうか、

お互いのことだけを考えて欲しいと、共通の思いを抱いて。

64話→←62話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
235人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

やぁと(プロフ) - 柚葉さん» コメントありがとうございます!優しい彼を描けて良かったです。ラストはすごく悩んでできたシーンなので、涙を流していただき感無量でございます。ここまで長々とお付き合い頂きありがとうございました!またの機会がございましたらよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月25日 20時) (レス) @page49 id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 完結おめでとうございます!実弥さん推しの私ですが、こんな実弥さん大好きです!ラストは涙流しながら読みました。 (2021年11月25日 19時) (レス) @page50 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
やぁと(プロフ) - 金平糖さん» 再びコメントありがとうございます!どうにか無事に完結を迎えられました!感動的なラストを金平糖様にお届けできて幸いです。長々とお付き合い頂きありがとうございました!またの機会がございましたら、その時もどうぞよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月25日 17時) (レス) @page50 id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 完結おめでとうございます。最後の最後でどばーーーっと涙が… 本当に、完結おめでとうございます! (2021年11月25日 17時) (レス) @page50 id: 63ca64d519 (このIDを非表示/違反報告)
やぁと(プロフ) - 実弥&左馬刻&勝己LOVEさん» 原作とはかなり性格違ってるのでは?と申し訳ないと思いながら書いてるのですが、喜んでいただけて幸いです。これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月14日 23時) (レス) id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月27日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。