62話 ページ12
その日、Aは自身の屋敷に帰っていった。
久しぶりに帰る屋敷。
隠が常に掃除してくれてるので綺麗な状態で、布団もいつでも眠れるように干されていた。
いざ畳に敷いてみると、お日様のポカポカした匂いが胸に満ちる。
『ふぅーー、久しぶりの我が家での睡眠だなぁ』
最近は実弥の屋敷や、蝶屋敷、他を転々としていたのでここという場所で寝泊まりしたのは蝶屋敷が一番多い。
何かとけが続きだったので。
『寝よう』
.
.
「石黒様、おはようございます」
『んー、おはよう……』
Aは体を起こし、布団を畳む。
そこから急いで隊服に着替える。
『お待たせ』
「石黒様おはようございます、お加減は?」
『元気だよ〜』
「お食事はいかがなさいますか」
『んー、いっかなぁ……お腹すいてないし』
「胡蝶様から屋敷にいらして欲しいとのことです」
『ほーーい』
頷いたが、恐らく怒られる。
Aは嫌だなぁと思いながら履物を履いて、蝶屋敷に向かった。
『さて、行くかな』
.
.
蝶屋敷に着くと、しのぶが待っていた。
「Aさん、ちゃんと来てくれましたね」
『あれ、お咎めじゃない?』
「善逸くんがお呼びですよ」
しのぶの言葉に驚いた。
善逸が目が覚めたようで。
『……へぇ』
「彼は五人の中で最も軽傷でしたから。重傷ではありますけど」
Aはしのぶに案内された部屋に入った。
『やっほー、元気ー?』
「あ、……っと、えっと」
しのぶが首を傾げる横で、Aは笑った。
『好きな方で呼んでもいいよ、善逸』
「あ、本当?」
二人のやり取りを見たしのぶは、面白そうな表情を浮かべる。
すると、Aは室内に足を踏み入れ、善逸の頭に手を置いた。
『頑張ったね、善逸』
「うん、おねえちゃん」
その呼び方にAは笑って、善逸を抱きしめた。
急の抱擁に驚く善逸と、二人の関係に微笑むしのぶ。
そして、弟弟子との久々のやり取りに泣くのを堪えているA。
『善逸、無事でよかった』
その言葉に善逸も、涙が溢れそうになった。
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やぁと(プロフ) - 柚葉さん» コメントありがとうございます!優しい彼を描けて良かったです。ラストはすごく悩んでできたシーンなので、涙を流していただき感無量でございます。ここまで長々とお付き合い頂きありがとうございました!またの機会がございましたらよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月25日 20時) (レス) @page49 id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 完結おめでとうございます!実弥さん推しの私ですが、こんな実弥さん大好きです!ラストは涙流しながら読みました。 (2021年11月25日 19時) (レス) @page50 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
やぁと(プロフ) - 金平糖さん» 再びコメントありがとうございます!どうにか無事に完結を迎えられました!感動的なラストを金平糖様にお届けできて幸いです。長々とお付き合い頂きありがとうございました!またの機会がございましたら、その時もどうぞよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月25日 17時) (レス) @page50 id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 完結おめでとうございます。最後の最後でどばーーーっと涙が… 本当に、完結おめでとうございます! (2021年11月25日 17時) (レス) @page50 id: 63ca64d519 (このIDを非表示/違反報告)
やぁと(プロフ) - 実弥&左馬刻&勝己LOVEさん» 原作とはかなり性格違ってるのでは?と申し訳ないと思いながら書いてるのですが、喜んでいただけて幸いです。これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月14日 23時) (レス) id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月27日 17時