38話 ページ38
それから二週間。
Aは脅威の回復力を見せた。
「あなた、本当に人間ですか」
『え?』
しのぶはAの回復力に軽く引いた。いや、思いっきり引いた。
たった二週間で、骨がほとんどくっついているのだ。
「……あなたの回復力、おかしいでしょう」
『そうかなぁ?』
「でも考えてみれば、昔からあなたはそうでした。
不死川さんと二人揃って脇腹に穴を開けて帰ってきたかと思えば、一週間で完全に塞がってましたもんね」
『いや〜、それほどでも』
「褒めては無いです。」
Aは固定していた包帯全部がようやく外れた腕、足、肩が治って自身で柔軟していた。
ちなみに罅だけで済んでいた背骨や骨盤は一週間もかからない内に治ってた。
その時もドン引きした。
『まぁ、十年も常中していると、どこを集中的にやるかで分かるから、ね!』
「……あなたが死なない理由がなんかわかった気がしますよ」
『なんか言った?』
「いえ、何も」
しのぶは思わず真顔で返した。
Aはそれを気にした様子もなく、笑っていて。
「あと二週間、絶対安静しててくださいね。
骨は置いとくとしても、内臓をやってるんですから」
『言われなくても大人しくしてますぅ〜!!!』
「……」
信用出来なさそうで信用出来るAの返答に、しのぶは頭を抱えた。
ちょっと拳を握りたい気分のまま、しのぶはAの体から手を離した。
「ただ、どうしても体力の低下は見られます。
後二週間後には機能回復訓練に参加できますよ」
『やったね』
そう喜ぶA。
素直な彼女を見ているのは面白い。だが、回復力だけは未だに謎だった。
居合も最速なら、回復力も最速だと、しのぶは思った。
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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時