15話 ページ15
Aは実弥の左後ろに座って、話を聞いていた。
「皆の報告にあるように鬼の被害はこれまで以上に増えている。
人々の暮らしがかつて無く脅かされつつあるということだ。
鬼殺隊員を増やさなければならないが、皆の意見を」
御館様に意見を求められて、真っ先に口を開いたのは実弥だった。
「今回の那田蜘蛛山でハッキリした。
隊士の質が信じられないほど落ちている。ほとんど使えない。
まず育手の目が節穴だ。使える奴か使えない奴かぐらいは分かりそうなものだ」
「昼間のガキは中々に使えそうだがなぁ。
不死川に派手な一撃を入れていたし、見込みはある」
「ケッ……」
炭治郎を褒めた宇髄に、実弥は面白くなさそうな反応を見せる。
と、しのぶも口を開いた。
「人が増えれば増えていくほど、制御統一は難しくなるものです。
今は随分時代も様変わりしていますし」
「愛する者を惨殺され入隊した者、代々鬼狩りをしている優れた血統の者以外に、それら者たちと並んだ、或いはそれ以上の覚悟を気迫と結果を求めるのは残酷だ」
「それにしてもあの少年は入隊後間もなく、十二鬼月と遭遇しているとは!
引く力が強いように感じる!中々相見える我々からしても羨ましいことだ!」
しのぶだけでなく、悲鳴嶼や煉獄の言葉に、Aは確かに、と思った。
「そうだね。
しかし、これだけ下弦の伍が動いたということは、那田蜘蛛山近辺に無惨は居ないのだろうね。
浅草もそうだが、隠したいものがあると無惨は騒ぎを起こして、巧妙に私たちの目を逸らすから。
何とももどかしいね」
そこで、御館様は十人の優れた隊士を見渡して、口にする。
「しかし、鬼共は今ものうのうと人を喰い、力をつけ、生きながらえている。
死んでいった者たちのためにも、我々がやる事は一つ。
今、ここにいる柱は、Aを含めて、戦国の時代、始まりの呼吸の剣士以来の精鋭たちが揃ったと私は思っている。」
そこで、御館様は十人をそれぞれ見て、名を呼ぶ。
「宇髄天元、煉獄杏寿郎、胡蝶しのぶ、甘露寺蜜璃、時透無一郎、悲鳴嶼行冥、不死川実弥、伊黒小芭内、冨岡義勇、そして、石黒A。
私の子供たち、皆の活躍を期待している」
十人が同時に頭を下げて、柱合会議は終了した。
173人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時