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11話 ページ11

行くよ、と言った手前、行かなければならない。

Aは心を決めて、産屋敷家の庭に訪れた。

だが、それはそれで間が悪かったのか、実弥と一人の少年が一触即発だった。


「善良な鬼と悪い鬼の区別がつかないなら、柱なんて辞めてしまえ!」


そう叫ぶ炭治郎に、実弥は立ち上がって刀を構える。


「テメェ、ぶっ殺してやる!」


Aは笑いながら実弥の肩に手を当てた。


『ちょいちょい』

「お前っ」

「いつの間に……」


Aが間に入ったその瞬間、凛とした声が響く。


「御館様の御成です」


その一言に全員が屋敷に目を向けた。

奥から一人の男性が出てきながら、


「よく来たね、私の可愛い子供たち」


娘のひなきとにちかに支えられながら出てきた御館様。

Aたちは御館様を見上げる。


「おはよう皆、今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?
顔ぶれが変わらずに、半年に一度の柱合会議が迎えられたこと、嬉しく思うよ」

(――傷?いや病気か?
この人が御館様)


炭治郎が御館様を見つめていると、実弥が炭治郎の頭を一瞬で押さえつけ。

Aは柱より少し距離を置いた位置で頭を垂れる。


「御館様に置かれましても御創建で何よりです。
益々の御託を切にお祈り申し上げます。」

「ありがとう、実弥」

「恐れながら柱合会議の前に、この竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士について、ご説明頂きたく存じますがよろしいでしょうか」


実弥はそう言う。

Aは少し離れたところから実弥を見た。

が、すぐに御館様に視線を向ける。


「そうだね、驚かせてしまってすまなかった。
炭治郎と禰豆子のことは、私が容認していた」


その言葉にAは瞼を閉じる。

柱達は皆、唖然としていた。


「そして、皆にも認めて欲しいと思っている」


その言葉に、それぞれ思いを口に出す。

反対派に、悲鳴嶼、宇髄、伊黒、煉獄、不死川。

中立派に、時透。容認派に甘露寺。

しのぶは黙秘で、冨岡はこの場合当事者に値する。

Aは想定通りの反応に、全員から顔を背けて笑う。

そうしていると、ひなきが元柱であった者からの手紙を読み上げて、全員が黙り込んだ。

内容としては、禰豆子が人を喰っていないという証言と、

もしもの事があった場合は、その元柱であり、冨岡と炭治郎の育手である鱗滝左近次が切腹して詫びる、との事だった。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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