検索窓
今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:14,329 hit

39話 ページ39

Aside


実弥に連れられて来た産婦人科。

初めて来た。いや、当然なんだけど。


「母さん、来たぜ」

『こんにちは』

「いらっしゃい」


中に入ると、実弥のお母さんが赤ちゃん、ことちゃんを抱っこしてた。

初めて手土産無しで入るからソワソワしてると、実弥のお母さんは笑いながら、


「Aちゃん、良かったら抱っこしてみて」


と言った。

名前を呼ばれた瞬間、手土産が無いことを怒られるかと思ったけどそんなことはなく。

代わりに抱っこしてみてと言われた。


『え!いや、あの、落としたら怖いし……』

「大丈夫よ」

『……』


真っ直ぐな眼差しに押されて、私はゆっくり手を差し出した。


「まだ首が座ってないから、肘の窪みに後頭部を当ててあげて、」

『はい』

「おしりの所から背中を支えて」

『……』

「頭を支えてる方の腕で、優しく腰の所をトントンてしてみて」


差し出した手に赤ちゃんを乗せられて、私は躊躇いながらも言われた通りにしてみる。

思いのほか、泣かなくてホッとした。


『な、泣くかと思った……』

「意外と大丈夫だろ?」

『う、ん……、まだ怖いけど』


実弥が隣からことちゃんを覗き込んで来て、ことちゃんの頬っぺに指を当てた。

凄くお兄ちゃんで、私は微笑む。

すると、


「二人とも、そうしてると十分に夫婦みたいね」


と、実弥のお母さんが笑いだした。

その言葉に実弥は顔を赤くした。


「まだ気が早ぇよ!」

『さ、実弥……』

「あらあら」


私は赤くなる所か、腕の中のことちゃんがいつ泣くか不安だったので、ちっとも笑えなかったが、最終的に実弥の腕に行くまで一度も泣かなかった。

40話→←38話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。