20話 ページ20
不死川実弥side
白濱とスーパーに向かっていると、丁度弟の玄弥がやって来た。
「兄ちゃん！」
「玄弥！」
飛びついてきた玄弥を抱きとめる。
日に日に成長を感じて愛おしく思ってると、白濱が笑った。
『仲良いんだね、二人とも』
「あ、わりぃ」
『んーん、気にしないで』
「おねえちゃん、だれ？」
玄弥は俺から離れると、真っ先に白濱を見た。
白濱は玄弥の目線に屈む。
『初めまして。
私は白濱A、よろしくね』
「Aねえちゃん？」
『そう』
「にいちゃんのすきなひと？」
その一言で俺は目を見開くし、白濱は一瞬だけ硬直した。
玄弥は俺たち二人の空気を読めないで首傾げてる。
可愛いけど、可愛いけど！
『お友達だよ』
「おともだち？」
『うん』
この二人のお陰で空気が和む。
けど、スーパーに向かわないと時間が無いため。
「玄弥、行くぞ」
「はーい！」
俺と玄弥が手を繋いで歩いて、三人でスーパーに向かった。
玄弥はあまり年上の女を知らないだけあって、白濱には興味津々だ。
「兄ちゃん、おれ姉ちゃんほしい」
「んっっっ」
『あっはっはっはっ』
噎せかける俺と、爆笑の白濱。
玄弥はキョトンとしてて。
『兄弟は二人なの？』
「玄弥の下に後三人居る」
「今ね、かあちゃんのおなかの中に赤ちゃんいるんだよ！」
『そっか、玄弥くんもお兄ちゃんなんだね！
楽しみじゃん』
「うん！おれとにいちゃんでまもるってきめてるんだ！」
玄弥のその言葉を聞いて、ふいに白濱と俺は目が合った。
「……」
『……』
俺たちは少し目を合わせると、白濱が玄弥の頭を撫でて、
『そっか！
最高のお兄ちゃんだね！』
と、笑った。
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作者名：やぁと | 作成日時：2021年10月1日 23時
