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その言葉に無言で首を振れば、

俊哉はやんわりと私を抱き包んでくれた。

俊哉の腕の中にいると、99%の幸福感と1%の罪悪感を感じる。

その幸福感を100%にするには、私が俊哉を完全に好きになるしかない。

「俺、けっこうあざといからね?
Aが傷ついてて救いを求めてることを知ってて、わざとこんな風に押しかけてるから。」

「そんなの、私の方がもっとあざといよ。
俊哉の気持ちを利用して、甘えまくってるんだから。」

「そう?
俺の方がもっとひどいよ。
ある意味、Aの弱みにつけ込んでるようなもんだし。」

あざとい自慢をさんざん繰り返した結果、私達はお互いの顔を見合わせて笑い出す。

俊哉とは気が合う。

俊哉と一緒にいると楽。

でも俊哉が他の女の子と一緒に居るのは、気分が悪い。

俊哉にハグされてベッドの中にいても、嫌悪感はおろか幸福感を感じる。

たぶん今、俊哉にキスされても私は、全く抵抗しないと思う。

…これって、恋愛感情だと言ってもいいのかな。

あと、もう一押し欲しいんだ。

もう、なりふり構わずに俊哉の元へ飛び込めるような何かが。









朝起きたら、俊哉はまだ気持ちよさそうに眠っていたから。

そんな俊哉の寝顔を、隣から見つめていた。

なんでだろう、誰かの寝顔を眺めているだけで幸せを感じるとか。

この寝顔を守ってげたいって思うのは、やっぱり恋愛感情なのかな。

よくおばあちゃんが言ってたっけ。

本当に好きな人の寝顔は、どんな姿でも愛しく感じるって。

…ヤバい。

俊哉の寝顔が愛しい。

私はもしかしたら…、俊哉のことが好きなのかもしれない。









私の視線に気付いたのか、俊哉がゆっくり瞼を開く。

「おはよう。」

眩しそうに微笑んで朝の挨拶をしたあと、

「目が覚めて初めて見たのがAって、なんか幸せ。」

そんな甘痒くなるような台詞を口にしては、私の頬に指を伸ばす。

「毎朝、目が覚めた時に、Aが隣にいたらいいのに。」

って、切なそうな顔をして。

その言葉を聞いて、もうダメだって思った。

だってさっきから、胸が苦しくて仕方ない。

こんな俊哉を、好きにならずにいられるわけがない。

「俊哉、好き。」

今度は私の方から、俊哉の頬に手を伸ばす。

私の突然の告白に、一瞬驚いた顔をした俊哉は、

「俊哉が大好き。」

2度目の告白でようやく、とろけそうな笑顔を見せてくれた。

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わかめ(プロフ) - キスマイさん» お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。そして長々と読んでいただいてありがとうございました。また宮田くんのお話を書きたいと思ってますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年2月3日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - 宮田くんが大好きで色んなお話を読んできたんですが、こちらの俊くんとても素敵で優しさもカッコ良さも最高でした。素敵なお話をありがとうございます! (2019年1月14日 11時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 雪名さん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)mキュンキュンとか言っていただけて、うれしいです。どうかまた読んでやってください♪ (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ランさん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)m更新遅めではありますが、懲りずに読んでいただけると嬉しいです! (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
雪名(プロフ) - 君僕のとしくんボイスを聞いてから最新回を読んだので、今夜もキュンキュンしすぎて心臓が止まりそうです!ハァ…(*´艸`*)ステキな夜をありがとうございます(*ノ∀ノ) (2018年10月4日 23時) (レス) id: 773c76c745 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年7月8日 3時

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