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だから、ちゃんと自力で服も脱いでお風呂に入ることにした。

2人で湯船に浸かりながら思うのは、私はちっとも奥さんらしいことをしてないなってこと。

「ごめんね、俊哉。
私、ちゃんと出来てないね。」

だから、唐突にそう謝罪してみた。

俊哉は意味がわからないって顔をして、じっと私を見つめているだけ。

「結婚したんだから、家事だってちゃんとやらなきゃいけないのに。
何も出来てないよ。」

だけど、そんな私の反省も、俊哉に笑い飛ばされてしまう。

「それはお互い様じゃない?
俺だって、家事もしてないし。
それに今の時代、家事って2人で分担してやるもんなんじゃないの?
同じ仕事してんのに、奥さんだけが家事をするってありえないでしょ。」

驚いた。

俊哉がそんな考えを持ってたなんて。

「…って、給湯室で既婚者の先輩達が教えてくれた。
「奥さんだけが家事をする時代じゃないから、しっかり家事を分担してやりなさい」って。」

そっか、俊哉は女子社員の癒し的存在だったっけ。

よく給湯室で女子社員達と盛り上がってるもんね。

「お互い同じ仕事をしてるんだし、無理せず楽しくやっていこう。
家事なんか週末にまとめてやればいいんだし。」

俊哉は彼氏としても申し分ない相手だったけど、旦那としてもかなりの出来旦那だった。









お風呂上がりは俊哉にドライヤーをかけてもらって、そのままベッドへ直行した。

ダブルベッドの真ん中で、何故か俊哉は私を自分の体の上へ乗せてしまう。

「何してんの?」

「Aを甘やかそうと思って。」

俊哉の言う通り、その暖かい胸に頬を寄せたら、魔法みたいに気持ちが安らいでくるのが不思議だ。

「重くない?」

「意外に大丈夫。
疲れてる時って甘えたくならない?
だから、Aを甘やかしたくて。」

背中に回された俊哉の両腕が、なんだか守られてる気分になって、私の中の幸福度がMAXを軽く超えていく。

「俊哉だって疲れてるんだから、甘えたいんじゃない?」

「甘えてる、今。」

「どこが?」

「Aをこうしてたら、泣けてくるくらい幸せだから。」

俊哉といると、私は簡単に幸せになれる。

でも、私を甘やかすだけで幸せになれるなんて、俊哉も相当簡単だ。

「次は俊哉の番だよ。
私の上に乗せてあげる。」

さっきの続きの感覚でそう言ったのに、俊哉はそのまま私をやんわりと押し倒すと、夜の始まりみたいなキスを始めた。

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わかめ(プロフ) - キスマイさん» お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。そして長々と読んでいただいてありがとうございました。また宮田くんのお話を書きたいと思ってますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年2月3日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - 宮田くんが大好きで色んなお話を読んできたんですが、こちらの俊くんとても素敵で優しさもカッコ良さも最高でした。素敵なお話をありがとうございます! (2019年1月14日 11時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 雪名さん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)mキュンキュンとか言っていただけて、うれしいです。どうかまた読んでやってください♪ (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ランさん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)m更新遅めではありますが、懲りずに読んでいただけると嬉しいです! (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
雪名(プロフ) - 君僕のとしくんボイスを聞いてから最新回を読んだので、今夜もキュンキュンしすぎて心臓が止まりそうです!ハァ…(*´艸`*)ステキな夜をありがとうございます(*ノ∀ノ) (2018年10月4日 23時) (レス) id: 773c76c745 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年7月8日 3時

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