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「それなら俺だって同じじゃない?
歳取ってヨボヨボなって、Aのことを抱き締められなくなったら、Aが俺のことを抱き締めてよ。」

「…いいよ。」

そんな会話を繰り返しているうちに、じわじわと涙が浮かんでくる。

うれしいんだけど、切ないんだ。

ずっと私達はこのままでいられるのかな。

どちらかが好きじゃなくなったり、触りたくなくなったりするような日が来るんだろうか。

そう思っただけで、胸が苦しくなる。

永遠なんてないし、絶対だってないっていうのは、私もよく知ってる。

でも俊哉とだと、永遠とか絶対が信じられるような気がして、だから苦しいんだ。









「A…、また怖くなっちゃった?
今度は何が怖い?」

なだめるようにそう聞かれて、

「俊哉が、私のことを好きじゃなくなる日が来るのが怖い。」

正直にそう答えた。

言わないと、胸が苦しくて爆発してしまいそうだから。

「来んのかな…、そんな日。
今の俺には想像できないけど…。
でもそんなことで泣いちゃうAが、もう愛しくてたまんなくて、さっきから胸が苦しいんだけど。」

俊哉の声もなんだか切なげで、

私達は明日結婚するっていうのに、なんでこんなに切なさにやられちゃってるんだろう。

「きっとAがそんなことを考えちゃうのは、今が幸せだからなんだと思う。」

「…うん。」

「Aが幸せなのはうれしいけど、
Aをそんなに不安にさせてるんなら、俺はまだまだ不甲斐ないよね。
ごめんね、Aを安心させてあげられなくて。」

そうじゃないのに。

でも、うまく言葉にできないんだ。









「もしかして俺が、勢いで結婚を決めたと思ってる?
だから不安?」

「…わかんない。」

「勢いじゃないよ。
ちゃんと何度も自分に聞いてみた。
一生Aを愛せるかって。」

「そうしたら?」

「何度考えても答えはYESなんだから、
もう、結婚するしかないでしょ?って。
だから、Aにプロポーズしたんだけど。
まだ早かった?」

「早くない。」

だって私も結婚したかったし。

自分でも何が不安なのか、よくわからないんだ。

「それに、俺はAより先に死んだりなんかしないから。
だって俺が先に死んだら、Aは寂しくて生きていけないと思う。
だから、Aが死ぬのを見届けてから、すぐに俺も行くから。
俺にとっての結婚って、それくらい重いものなんだけど。
わかってくれた?」

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わかめ(プロフ) - キスマイさん» お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。そして長々と読んでいただいてありがとうございました。また宮田くんのお話を書きたいと思ってますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年2月3日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - 宮田くんが大好きで色んなお話を読んできたんですが、こちらの俊くんとても素敵で優しさもカッコ良さも最高でした。素敵なお話をありがとうございます! (2019年1月14日 11時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 雪名さん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)mキュンキュンとか言っていただけて、うれしいです。どうかまた読んでやってください♪ (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ランさん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)m更新遅めではありますが、懲りずに読んでいただけると嬉しいです! (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
雪名(プロフ) - 君僕のとしくんボイスを聞いてから最新回を読んだので、今夜もキュンキュンしすぎて心臓が止まりそうです!ハァ…(*´艸`*)ステキな夜をありがとうございます(*ノ∀ノ) (2018年10月4日 23時) (レス) id: 773c76c745 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年7月8日 3時

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