検索窓
今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:201,705 hit

30 ページ30

「今まで、私に気持ちを告げようとか思わなかった?」

「Aとの関係を壊したくなかったし。
親友関係に恋愛感情を持ち込んだら、絶対崩れちゃうじゃん。
Aの一番近くにいれる権利を、取り上げられたくなかったから。」

「もし私が俊哉の気持ちに気付かなかったら、どうなってた?
ずっとあのまま親友関係だったかもよ?」

「それでもいいって思ってた。
例えAが横尾さんとうまくいっても、Aの一番の親友で居られるなら。」

呆れた。

嫉妬とかするでしょ?普通。

私が俊哉なら、横尾さんのことなんか、大嫌いだと思うけどね。









「俺ね、独りよがりのワガママだと思うけど、Aには与え続けたいって思うんだよね。
Aの望むものは全部手に入れてあげたいし、Aの喜ぶ顔は一番近くで見たい。」

「私は俊哉に与えなくていいの?」

「いい。
…って、ちょっと前までは思ってたのに。
最近は欲が出てきて、Aからいろいろ与えられたくなってきた。」

きっと今、お互いの顔が見れないからこんな話が出来るんだよね。

耳許で聞こえてくる俊哉の甘ったるい声に、私の気持ちはどんどんあの月のように満ち足りていく。

「私、何か与えてる?
俊哉に。」

「もらってるよ、いっぱい。
でも俺はそれに甘えて、貪欲になりそうで怖い。」

ごめんね。

思えば親友時代から私は、俊哉に与えられてばっかだった。

そんな私が俊哉に何か与えられてるのなら、それはありがたい。

「ちゃんと俊哉にたどり着けてよかった。」

ちゃんと口に出して言ってみた。

ここに来てから、ずっと感じてたことだから。

近くに居すぎて気付かなかったんだ、俊哉の存在に。

長い時間かかって、ようやく私は俊哉にたどり着けた感じ。








私達はきっと、もっと大人になっても、

この旅のことを思い出すんだろう。

思い出しては甘酸っぱい気持ちになったり、顔を緩ませたりするんだろう。

そんなハネムーンみたいな旅から帰ってきた私達は、直ぐに結婚準備を始める予定だった。

だけど、日本に帰ってすぐ、私達を取り巻く環境はガラリと変わってしまっていた。

31→←29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (491 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
989人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

わかめ(プロフ) - キスマイさん» お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。そして長々と読んでいただいてありがとうございました。また宮田くんのお話を書きたいと思ってますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年2月3日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - 宮田くんが大好きで色んなお話を読んできたんですが、こちらの俊くんとても素敵で優しさもカッコ良さも最高でした。素敵なお話をありがとうございます! (2019年1月14日 11時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 雪名さん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)mキュンキュンとか言っていただけて、うれしいです。どうかまた読んでやってください♪ (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ランさん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)m更新遅めではありますが、懲りずに読んでいただけると嬉しいです! (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
雪名(プロフ) - 君僕のとしくんボイスを聞いてから最新回を読んだので、今夜もキュンキュンしすぎて心臓が止まりそうです!ハァ…(*´艸`*)ステキな夜をありがとうございます(*ノ∀ノ) (2018年10月4日 23時) (レス) id: 773c76c745 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わかめ | 作成日時:2018年7月8日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。