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「それに、結婚式は女の子の好きなようにさせてやるのがいいって聞いたけど。
披露宴とかしなくていいわけ?」

「いい。
必要ない。」

さっきまで呆れ顔だった俊哉は、会話を続けていくうちにどんどん表情が緩んでくる。

俊哉だって、面倒なのは嫌いでしょ?

「じゃあ、なんで俊哉は結婚式や披露宴にこだわるの?」

「Aに喜んでほしいから?」

ほらまた、私中心に考えちゃってるじゃん。









「それに、Aのウェディングドレス姿を一番見たがってるのは俺だし。」

「そうなの?」

「当たり前じゃん。
俺的に披露宴って義務みたいな感じもあるけど、ある種の自慢も入ってるよね。
だから何度もお色直ししたりするんじゃない?」

お♪、出た。

たまに出てくる俊哉のブラック発言。

「だから、俺も自慢してみたくはあるかも。
俺のお嫁さん可愛いだろ?って。」

驚いた。

微笑みながら、よくそんなことが言えるよね。

だけどきっと、それが俊哉の本音で。

そういうのを聞いているだけで、頬が緩む。









ランチを終えて帰って来た私達は、またデイベッドに戻る。

話題はさっきの続き。

境界の見えないだだっ広い海の上に浮かんだ部屋で、

デイベッドの真ん中で、背中からやんわりと俊哉に抱き寄せられた状態で、

私達はさっきから、現実的な話を繰り広げている。

「帰国したら一番に何したらいいんだろ。」

そんな私の独り言に、

「まずは、ゼクシィとか買うんじゃない?」

なんて、俊哉は普通に返してくる。

さっきから俊哉の口調に、余裕が出てきているのが気になってた。

もう、一線も超えちゃったし、結婚も決まったから?

だから余裕がでたの?

「ゼクシィ買ってどうすんの?」

「熟読する。」

「俊哉が?」

「Aもね。
2人で熟読する。」

ゼクシィだって。

今まで本屋で見かけても、自分には関係ないものだと思って気にもかけてなかったのに。









「もう2時になったよ。
今日はずっとここにいるつもり?」

そんなことを聞いてくるくせに、俊哉は腰に回した腕をぎゅーっと締め付けてくる。

言ってることとやってることが噛み合ってないよ。

でも、俊哉が次に言うことは、もう予想がついていた。

「やることないし、ベッドに行かない?
カーテン、閉めてあげるから。」

今まで聞いた中で、史上最強に甘ったるい声で。

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わかめ(プロフ) - キスマイさん» お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。そして長々と読んでいただいてありがとうございました。また宮田くんのお話を書きたいと思ってますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年2月3日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - 宮田くんが大好きで色んなお話を読んできたんですが、こちらの俊くんとても素敵で優しさもカッコ良さも最高でした。素敵なお話をありがとうございます! (2019年1月14日 11時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 雪名さん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)mキュンキュンとか言っていただけて、うれしいです。どうかまた読んでやってください♪ (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ランさん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)m更新遅めではありますが、懲りずに読んでいただけると嬉しいです! (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
雪名(プロフ) - 君僕のとしくんボイスを聞いてから最新回を読んだので、今夜もキュンキュンしすぎて心臓が止まりそうです!ハァ…(*´艸`*)ステキな夜をありがとうございます(*ノ∀ノ) (2018年10月4日 23時) (レス) id: 773c76c745 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年7月8日 3時

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