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ふと隣にいる俊哉を見上げたら、俊哉はぼんやりと満月を眺めていて、
その月が俊哉の真っ黒な瞳に映り込んでいた。
その瞳に吸い込まれるように顔を近づけたら、俊哉はようやくこちらを見てくれた。
「A、目閉じて。」
私はさっきの俊哉と同じ答えを返す。
「やだ。」
なのに、俊哉は私の言葉なんか全く聞いてないって風で、強引に唇を重ねてくる。
…やば。
いつもとなんだか違うキスに、気持ちが揺さぶられる。
なんか…、立ってられないんだけど。
いつもより長めのキスをしたあとで、
「寝室行く?」
って、イケボで聞くのはやめて欲しい。
何も返事をしない私に、
「お姫様抱っこしてあげようか?」
とか、ふざけて聞くのもやめて欲しい。
今の私は、俊哉の一挙一動に完全に翻弄されてるんだよ。
ただ優しくて私のことを好きすぎる男子だと思っていた俊哉は、また強引なキスをして、私を寝室に連れ込んだ。
レースの天蓋を閉じると、俊哉はすぐに明かりを消してしまう。
レース越しに見える月明かりが幻想的で、ここはこの世じゃないのかな、とか思うくらい。
俊哉は、優しい。
…いつもは。
でも今は、意外に優しくない。
むしろ、ちょっと意地悪だ。
けっこう強引だし、それにさっきからニコリともしてくれない。
まあ、彼女をようやくベッドに連れ込んだのに、ニコニコしてる人はいないだろうけど。
だけど私の肌に触れる指は優しい。
肌越しにそれは伝わってくる。
上に居る俊哉にぎゅうっと抱きつけば、俊哉は苦笑いで緩く抱き返してくれた。
「…何?
怖くなっちゃった?」
「違うよ。
俊哉が愛しくてたまんないから、ぎゅうってした。」
正直にそう言ったら、
「何それ。」
なんて、くすくす笑いながら、俊哉は私の腕からすり抜けてしまった。
「今夜はAが眠るまで、ぎゅうってしといてあげるから。
それよりキスしていい?」
ほらまた、そんなイケボでそんなこと言わないでよ。
今度は「やだ」とは言わなかったけど、
やっぱり俊哉は私の返事も聞かずに、長くて甘いキスを私に与えてくれた。
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わかめ(プロフ) - キスマイさん» お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。そして長々と読んでいただいてありがとうございました。また宮田くんのお話を書きたいと思ってますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。 (2019年2月3日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - 宮田くんが大好きで色んなお話を読んできたんですが、こちらの俊くんとても素敵で優しさもカッコ良さも最高でした。素敵なお話をありがとうございます! (2019年1月14日 11時) (レス) id: 64045badf0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 雪名さん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)mキュンキュンとか言っていただけて、うれしいです。どうかまた読んでやってください♪ (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ランさん» お返事が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)mm(_ _)m更新遅めではありますが、懲りずに読んでいただけると嬉しいです! (2018年10月25日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
雪名(プロフ) - 君僕のとしくんボイスを聞いてから最新回を読んだので、今夜もキュンキュンしすぎて心臓が止まりそうです!ハァ…(*´艸`*)ステキな夜をありがとうございます(*ノ∀ノ) (2018年10月4日 23時) (レス) id: 773c76c745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2018年7月8日 3時