わたしたちの休み時間

離席するときは一声を ページ26

北「どこ行ってたの。」

『ほくぴーただいま〜。』




ついさっき、
休み時間になった途端阿部先輩から電話がかかってきて、
急ぎの用事だったから北斗に何か言う間もなくそのまま教室を出たんだ。

それで帰ってきてみればこれ。



ほくほくめちゃんこ不機嫌やん！！
なにこれかわいい！！保護したい…！！




『委員会の用事だよ。急に欠員でちゃったみたいで。』

北「あいつに呼ばれてノコノコ行ったんだ。」

『言い方！』




また先輩をあいつ呼ばわりして！
お口お行儀悪いほくたんも可愛いけどね！

でも先輩傷付くからやめてあげて！




『黙っていなくなってごめんね〜。おーよしよし〜。』

北「触んなばか。」

『ちょ、昨日は好き放題撫でさせてくれたじゃん！』

北「おぼえてない。」

『まって今の言い方最高にかわいかったよ。
まつむらほくと(5歳)だった。』

北「たすけておまわりさん。」

『まかせろ。私ちょっと警察学校通ってくるわ。』

北「その間に五歳児は成人するんじゃない？」

『何度留年する見込みなの？！』




ピコピコ




『ん？ふふっ、』




あと少しでチャイム鳴っちゃうなぁ、なんて
北斗の笑顔にこの時間を名残惜しく思ってると、
制服のぽっけでスマホが鳴って。



届いたのはさっきまで一緒にいた阿部先輩からのメッセージ。

手伝ってくれてありがとうね、の一文と
先輩とそのお友達の佐久間さん…だったかな？
がふざけた様子を写した写真。


あまりにおかしくてつい笑いが漏れてしまった。




北「…なんだよ。」

『あ、ごめんね。見て見てこれ。』

北「ふーん。…仲良いね。」

『ねー。小学校の頃からのお付き合いらしいよ。
佐久間さん年中ふざけてて楽しいんだって。』

北「そうじゃなくてお前が。」

『んえ？』

北「あの先輩と仲良いね。」

『え？なになに、ほくちょすやきもち？かわいいなぁ。』

北「かんちがい。」

『心配しなくても私は北斗を愛してるからね！』

北「ずっと言ってれば？」

『！ほくたんからお許し頂きましたー！
すきすき！北斗大好き！！』



「おーい、お前ら授業始めてもいいかなー？」

北「彼女のことはほっといてもらって大丈夫です。」

『先生！彼女だって！！私しあわせ！どうしよう！！』

北「そういう意味じゃねぇ！！」


「はーい、皆さん教科書51ページを開いてくださーい。」

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