第3話 ページ28
「才能があっても、この嫌悪と恐怖に打ち勝てず挫折した呪術師を恵もAも見たことあるでしょ」
あ、Aは見たことないか。五条がそう言うのを聞き俯いたまま、いえ、と答える。
「一回だけ、ですけど」
そっか、と五条は言う。
「で、今回は彼女のイカレっぷりを確かめたいのさ」
でも、と伏黒が言った。それにAも顔を上げる。
「釘崎は経験者ですよね。今更なんじゃないですか?」
五条がんー……と手で顎をさすってからAに問いかけた。「Aは地方に行って呪いを祓うってなった時、どう思った?」
いきなり問いかけられたAは戸惑う。「どうって……」
「じゃあ聞き方を変えようか。ここら辺の呪霊と地方の呪霊を比べてどう思う?」
都会と地方の呪霊を比べて……。少し考えを巡らせた。あ、と思いついた言葉をそのまま言う。
「量と質が良い……! 都会の呪霊は量と質が多くて、地方の呪霊はその逆。しいて言うなら同じ値段なんだけどちゃんとしたブランド物とパチモンって感じ」
「そ。呪いは人の心から生まれる。人口に比例して呪いも多く、強くなる。地方と東京じゃ、呪いのレベルが違う」
釘崎野薔薇は己の武器を取り出して、マネキンと対峙していた。傍から見れば、どうゆうこっちゃな空気だが、これには訳がある。
「来ないなら、このまま祓うわよ」
取り出した武器――――ハンマーで同じく己の武器である五寸釘を打つ。打たれた釘は真っすぐ宙を飛び、ドスドスとマネキンに刺さった。
結構な威力で刺さったので、マネキンはそのまま倒れると思う人もいるかもしれないが、そうはならなかった。
マネキンは元々人の様な形をしている。しかし釘崎に釘を刺されたコレはまるで、二足歩行の生き物が後ろに倒れないように、踏ん張っている。
釘崎野薔薇はハンマーと釘を持ってマネキンと対峙していた。傍から見れば、どうゆうこっちゃな世界だが、これには訳がある。
踏ん張っているソレの顔と思わしき場所に、ぎょろ、と複数の目が現れた。
釘崎野薔薇がマネキンと対峙しているのは、このマネキンがマネキンではなく呪霊だからである。
――――対談
「と、言う事で話す事がなくなりました。先生どうしましょう」
「どうしましょう、って僕に言われてもなぁ。対談なんだから適当になんか喋ればいいんじゃない?」
「よし、話すことがないなら終わりにしましょう」
「適当!」
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しゆ - 続編が出ました。更新速度は遅いですが、よろしくお願いいたします。 (2021年3月18日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - 山田憂さん» コメント、そして温かいお言葉……ありがとうございます! これから寒くなる季節、山田憂さんも体調には気を付けてください! (2020年11月3日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
山田憂 - 夢主とキャラクターの細やかな心情が刺さりました…。体調に気をつけてお過ごし下さい。応援してます! (2020年11月2日 13時) (レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - チベットスナギツネさん» 神作!? ありがとうございます! 嬉しいです!! コメントもありがとうございました! (2020年10月30日 21時) (レス) id: 311275af3f (このIDを非表示/違反報告)
チベットスナギツネ - 神作・・・言いたいことは、それだけです。( ´∀`)bグッ! (2020年10月29日 23時) (レス) id: 4fb9137dc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゆ | 作成日時:2020年10月28日 22時