第二十八話 護符 ページ35
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息が詰まった。虎杖くんと野薔薇ちゃんも、冷や汗を流して伏黒くんをチラ見する。
伏黒くんは一瞬動きを止めると、気怠そうな顔をして。
「…そうか、じゃあ津美紀にも聞いてみるわ」
……ほんっと、伏黒くんの嘘つき。
聞けるわけないじゃん、どうやったら寝たきりの人と会話ができるの。そもそも話せないから、意識が戻らないから伏黒くんも苦しんでるんでしょ。…助けたいって、ずっとずっと頑張ってるんでしょ。
私は伏黒くんの背中を軽く小突いて、腰につけているポシェットから一枚の紙を取り出した。
藤沼さんに見えないように、伏黒くんの背中に隠れて呪力を込める。
『___護符"
ボゥッと、翠色の淡い光が灯る。
細長い紙の中心に、草書体のような読みづらい文字が表れた。
私の術式はぶっちゃけ使い勝手が悪い。ただ、術式としての能力とは別にもう一つの力があるんだ。
それが御札。三重県に住んでいる特別な呪具職人の人たちにしか作れない、呪いを織り込んで作られた和紙を使う技だ。
『藤沼さん、藤沼さん』
「は、はい?」
私は伏黒くんの後ろからひょっこりと顔を出すと、手の中の御札を藤沼さんに渡した。
「これは…?」
『お守りです。気休めみたいなもんですが、もし不安なら持っててください!』
「良いんですか?」
藤沼さんが目を丸くして私を見た。ニッコリ笑って『もっちろん!』と返す。
『効果があるかは分かりませんけど(笑)』
「ふふっ…そうですね。すみません、変に心配しすぎちゃって…ありがとうございます」
渡した御札を握って、安心したように藤沼さんが笑った。
まあ効果はありますよ。呪霊に対してだけだけどね!
この御札は、呪霊から持ち主を隠す力がある。呪霊から見えなくなるだけで完璧に守れるわけじゃないけど、もし呪霊が被呪者を襲いに行くタイプだったら役立つはずだ。
まあ、被呪者の内側から呪いが発動するタイプだったら意味ないんだけど。
藤沼さんは安心して落ち着きを取り戻したようで、
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