第二十五話 待機 ページ32
*
____パブロディエゴホセフランシスコデパウロホワンネパムセーノマリーアデロスレメディオスクリスピンクリスピアーノデラサンデシマトリニダードルイスイピカソ、パブロディエゴ…__。
ぼーっとやることもなくひたすらピカソのフルネームを頭の中で暗唱し続ける。
隣で、虎杖くんが盛大なあくびをした。
…結論から言おう、ものすごく暇である。それはもう、覚えている限りの円周率と素数とピカソのフルネームを並べ立ててしまうくらいには。
「…ちょっと。呪霊の呪の字も出ないんですけど?」
耐えきれなくなったのか、とうとう野薔薇ちゃんが今まで誰も言わずにいた台詞を口にした。
中学校を後にした数分後。私たちは新田さんの車に揺られて、埼玉県さいたま市鯉ノ口峡谷"八十八橋"に到着した。
「呪霊を確認でき次第、帳を下ろすっス」
そう言って、新田さんは少し離れた場所で待機。私たちは八十八橋の上でひたすら呪霊の出現を待ち続けることになった、んだけど。
なぁんも出ない。うん、全っ然。
目の前をビュンビュン飛ばしていく車を眺めること数十分。そろそろ暗唱するものも尽きてきた。
『虎杖くん、もっかい落ちてみない??』
「別に良いけど、多分意味ねーと思うよ???」
『だよねぇ』
手の中の、既に用済みとなったビニール紐をくるくる回す。
実はさっき、試しに虎杖くんにバンジージャンプしてもらったんだよね。
え?うん、このビニール紐でだよ??
私も最初は"ビニール紐でバンジージャンプとか馬鹿なんじゃないか"とか思ってたけど、野薔薇ちゃんも伏黒くんも躊躇い無く虎杖くんにビニール紐くくりつけるし虎杖くん本人もノリノリだったから諦めた。
結果、当然のごとくケロリとした顔で生還したから良かったけども。いや何で無傷なの??っていう問いは心の中で留めておいた。言っても意味ない気がする。
「Aは何も感じないの?」
『うん、残穢も呪力も何も感じない。今のところ、被害者が呪いにかかったのって最短でも二十年前のことだからさ、ここ最近は誰も呪ってないのかもね』
「そっか、発動してるだけで実際呪ってなければ呪力は使われないんだ?」
『時と場合と呪霊によるけど』
「Aが何も感じないんなら、いくら私たちがここで待機してても意味ない気がするんだけど…」
「確かにな。一旦、新田さんと合流するか」
ずっと黙っていた伏黒くんが立ち上がる。つられて皆も立ち上がり、新田さんの車が停まっている方に歩いていった。
*
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーアルファベット
X
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
今日の名言or名場面
五条「強くなってよ。僕に置いていかれないくらい」
112人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ