第三十一話 術式 ページ38
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たぶんさっき伏黒くんと電話したときに決めたんだろう。伏黒くんはお姉ちゃん大好き人間だから、2級術師じゃ心許ないと思ったに違いない。
『この私がわざわざ東京に戻らないと護衛できないと思ってるあたり、ナメてるよね』
よーっし、天才気取り(仮定)の伏黒くんに舌を巻かせてやろーじゃないの。
ぐぐっと伸びをして、私はスマホをポケットに戻し、新田さんを振り返った。
『新田さん、"帳"をお願いできますか?』
〜〜〜〜
中学生が全員下校したのを見届けて、新田さんは学校全体に"帳"をおろしてくれた。
「なぁ銀野〜、今から何すんの?」
「呪霊退治にしては、呪霊の気配が全くしないけど?」
『この学校に呪霊はいないよ。でも…呪いはそこら中に充満してる』
グラウンドの真ん中まで歩く。両隣の虎杖くんと野薔薇ちゃんが、不思議そうに首を傾げた。
学校っていう場所には、常に呪いが満ちている。溜まりに溜まって呪霊になれば私たち呪術師が祓う。
私はグラウンドの真ん中に立つと、より呪いの濃い校舎側と部室棟側に手のひらを向けた。
「えっ、何してんの!?」
『術式発動しようとしてるのー。ちょっと離れてて!』
虎杖くんが慌てて私から距離をとった。
私は深く息を吐き出すと、グッと手のひらを握り締めた。意識を集中させる。
学校中の呪いを掻き集めるイメージで。
野薔薇ちゃんも慌てて後ろに下がった。私の拳を中心にして、黒い煙のような呪いが集まり始める。
『__神式従霊術 "付喪神"』
両手に集まった煙が、渦を巻きながら何かを形作り始めた。ボフッ、ボフッと2回、小さな爆発音がする。
…唐突に現れたソレを、虎杖くんと野薔薇ちゃんが近寄って覗き込む。うおっ、と驚きの声が上がった。
「ミニチュア呪霊!?」
グラウンドをふよふよと漂い始めるソレは、学校中の呪いを無理やりくっつけて作り出した小さな呪霊。私の術式の一つ、”付喪神”だ。
生まれたばかりの付喪神を一体抱き上げて、虎杖くんが瞳をキラキラと輝かせた。
「すげー!めっちゃ可愛い!」
「可愛いか…?」
虎杖くんとは違い、苦い表情で付喪神を摘み上げる野薔薇ちゃん。うん、私も野薔薇ちゃんの感性に共感だよ。ぶっちゃけ可愛くない((
虎杖くんってもしかして、夜蛾先生の呪骸が性癖に刺さるタイプの人??もしそうならその感性でも頷けるけど。
『護符”
私はポシェットから御札を取り出して呪力を込める。翡翠の光が宿り、クネクネした文字が浮かび上がった。
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