お父さん ページ31
「そう言えば、お父さん全然来ないんだよね。父親なんてそんなもんか」
ふと思い出して軽く愚痴ると
じっと私を見つめて
なにか、ためらっているようだった
A「・・・・なに？」
JJ「いや・・・」
A「なに？」
JJ「うん・・・。お父さん・・・ダウンしてる」
A「え？」
ジェジュンを見つめる私と
言っていいのかな、って顔してるジェジュン
少し間が開いて
ジェジュンが言った
JJ「お母さんもA産む時すごい大変で、それでお父さんもう子供はひとりでいいって思ったんだって。
お母さんのあんな姿もう見たくないって。で、今回Aが苦しんでるの見て、お母さんのとき思い出して・・・」
A「それでダウンしたの！？」
JJ「じゃなくて、近くの神社になんだっけ・・・百なんとか参り？」
A「お百度参り？」
JJ「そうそれ。産まれるまで毎日、仕事行く前と帰って来てから２回行ってたって・・・」
は！？！？
JJ「で、やっと産まれたって聞いてホッとしたみたいで・・・ダウンしちゃったみたい」
A「・・・・・・」
朝晩２回行ってたなら
お百度参りじゃなくて、二百度参りなんじゃ・・・
って、そんなことじゃなくて
A「いい年してなにやってるんだか」
口に出るのは可愛げのない言葉だけど
それは感動して泣きそうなのを隠すためだって
ジェジュンはもちろん見抜いてる
パクパクと目の前のディナーを頬張る私を
優しく見つめて
また、私のお皿に自分のステーキを入れてくれた
JJ「俺も気持ち分かるな〜」
A「え？」
JJ「俺も、もうヒロだけでいいかも」
A「子供？」
JJ「うん。」
毎年産んでもらう、なんて言ってたのに
本当にもう満足、って顔で言った
A「そんなに大変だった？」
JJ「あっはっ、大変だったのはA」
A「その私の面倒」
JJ「面倒なんて感じなかったけど、死ぬかと思ったから」
A「それこそ、それは私」
JJ「だから、死にそうなA見て俺も死にそうだったの」
なるほど(笑)
A「死ななくてよかったね」
冗談っぽく言うと、ジェジュンも笑って
笑い合う私たちの元に
父「おめで父さんですよ〜♪」
ダウンしてたとは思えない元気な声で
勢いよくお父さんが登場した
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 718人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛(プロフ) - もう何度も読み返しています〜私も最初のお産で看護師さんがお腹に乗ったんですよ〜びっくりしました〜読むたびに思い出しています。素敵なお話ありがとう。 (2020年5月17日 16時) (
レス) id: d7a9babe21 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 自分の出産を思い出します(*^^*)微弱陣痛で3日かかったな〜と…今隣で笑う娘も19歳になりました！ヒロ君の成長も楽しみ（≧∇≦）新しいお話しも、以前のお話しもホントに素敵な言葉ばかりで幸せな気持ちになります。素敵なお話をありがとうございます！ (2015年12月30日 23時) (レス) id: c9a2be6722 (このIDを非表示/違反報告)
ともりん(プロフ) - 何日かかったかな…家事、ほったらかして一気に読みました(*^^*)ジュエルさんありがとう☆すごく胸がドキドキキュンキュンして感動の涙まで流しました(T^T)次の作品もすっごく楽しみに待ってます(*^-^*) (2013年2月5日 16時) (レス) id: 390d9729ec (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - 何度よんでも最高です。ジュエルさん本当にありがとうございます！ (2012年10月7日 22時) (レス) id: 061fa96b47 (このIDを非表示/違反報告)
やっしー - 最高！ (2012年8月3日 6時) (レス) id: 25e0dd482c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジュエル
| 作成日時：2011年12月3日 0時
