〜jaejoong〜約束　５２

見つからない言葉 ページ48

A「・・・もしもし」


携帯を握る手が震えていた

ジェジュンの電話にこんなに緊張するの
付き合ってからない気がする


JJ「・・・どこ？」

久しぶりに聞いた声は
小さくて、落ち着いていた


どこ、って言えばいいんだろう
この聞き方はもう家に帰ってるっぽい。

私が帰ってると思ったのにいないから、心配して掛けたのかな


黙っているともう一度聞いた


JJ「どこ？・・・日本だよね？」

A「う・・うん・・・。帰ってきてる」

JJ「・・・・もう嫌？」


帰ってきてると言った私に、相変わらずの落ち着いた声で言った


【もう嫌？】


嫌ってなにが？


聞こうとしたら先に言った


JJ「もう俺と一緒にいるの嫌？」

A「・・・・」

JJ「もう・・・俺が嫌？」


・・・・・・・


答えられなかった


ジェジュンの声が妙に冷静で落ち着いていて
言葉ひとつひとつ、それが正しいように聞こえたから

私が放つ言葉なんて、全てが薄っぺらく、嘘に聞こえる気がした


実際に今、「そうじゃない」なんて言っても
きっと信じてもらえない

ジェジュンと暮らすあの家から逃げて
そこに帰らなかったのは私だ


そして、「そうじゃない」なんて
とても言える気持ちじゃなかった

だけど何か答えないと
今、何か言わないと


私たちは終わる


もう俺が嫌？と聞くジェジュンに何も答えないのは
肯定しているのと一緒だ


だけど言葉が見つからなくて

長い沈黙が流れていた

終わり→←久しぶりの『約束』

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