別れちゃったけど……【三ツ谷隆】

起きてから ページ16

急に病室の外から響いた低い声。紛れもないタカちゃんの声だ。









…………タカちゃん、来てくれたんだ。









橘「なんの用ですか？今私たちと話してるんですけど。」







ヒナが憮然と横で言い放つ。ヒナ………怒ってらっしゃる………。









エ「ヒナ凄かったんだから。Aが眠ってる間、三ツ谷にマジギレしてたんだから。いや……ウチもちょっとビビったもん。」








エマが「ウチもキレたけど。」と肩をすくめる。










橘「帰ってください、Aのストレスになっちゃいます。目が覚めたばっかりなのに………。」









エ「だってさ、三ツ谷。改めてまた来たら？正直ウチもまだ許したわけじゃないし。」









エマもヒナほどじゃないけど声色が冷たい。









病室の外からざっと紙袋の擦れる音がした。……タカちゃん、帰るのかな。なんて思ってたらタカちゃんの声が廊下に響いた。








隆「すまなかった、Aを傷つけた。また辛い目に合わせた。俺が……代わりに刺されば良かった。」




貴「タカちゃん、ーーーーそんなこと言うのは止めて。」








自分でも驚くほどしっかりとした声が出た。








貴「私がしたことだから。私が……勝手にしたことだから。タカちゃんが苦しく思う必要は無いの。だから【自分が代わりに……⠀】なんて思わないで。」









2人が「A……。」とつぶやく。









隆「……ありがとう。………今日はAに謝りに来た……それと美夢の言ったことについて説明しに来たんだ。……出来れば開けて欲しい。」











美夢ちゃんのこと………きっとメビウスにいた事と何より……「東卍の隊長」とは自分自身のことを言い張ったことだろう。










起きたばかりだし、きっとあまり気分のいい話じゃないのもわかる。ヒナが「起きたばかりのAにそんな顔するなんて」と顔をしかめる。









貴「ヒナ達が一緒でいいなら……。」











そういうと「……あぁ。」という声が聞こえた。










扉を開くとそこには

















罰が悪そうな









今にも泣きそうな








タカちゃんが立っていた。

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