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episode1 ページ3

「誠士郎〜〜〜!待ってよ、どこ行くの?」










まただ、



















また私と彼の時間が減る。
















そんなふうに思うのは私の酷い我儘だろうか?



















少し後ろで彼女の可愛らしい声が聞こえる。鈴の音のような甘い、だけど甘すぎないそんな声。



















「……………愛菜?」
















彼の眠たげな瞳が後ろから走ってくる彼女の存在を認識すると少し大きく見開く。



















「うんっ、だって帰りのホーム終わったらもう居ないんだもん!探しに来たんだよ?」


















すぐそばまで走ってきて凪の方を見てニコッと笑う。まるで一緒にいるのが当たり前みたいなそんな笑み。



















「誠士郎、帰り道に寄りたいところがあるの。帰り寄って良いでしょ?」

















今日は私と帰る日だったのに『一緒に帰る前提』で話しているから少し腹が立つ。



















まぁ、彼女もつい最近まで幼なじみとして帰っていたからそんなふうになるのもおかしなことじゃない。むしろ初めは「一緒に帰ってるくらい仲良しなのに悪いな」とさえ思っていた。



















「行きたいなら自分で行けば?俺今日、Aと帰るって言ったじゃん。」














凪が私の手を握って答えてくれる。彼の体温を感じて少しこそばゆい。



















「えっ、なんで……………!3人で帰ればいいじゃん!どうしてAちゃんとふたりなの?どうして私はダメなの!?」



















でも彼女がこうやって癇癪を起こす度、私の処遇というか扱いはもう決まっていた。



















「彼女と誰だって帰れる時は帰りたいじゃん。」

「ずっと私と帰ってたのに!ずるい!Aちゃんだけずるいよっ!私幼なじみなのに!!」



















彼はため息を着くと私の方に向き直った。



















「ごめん、今日はこいつと帰る。埋め合わせは絶対するから。」



















何だろう、凪の特別な存在は私なのにそんな感じが全然しない。

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爪楊枝 - 別にどうでもいいので、から来ました!主さんのお話どれも読んでいて楽しいです!これからも更新よろしくお願いします (2023年3月22日 13時) (レス) @page5 id: af7729c5ce (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - このお話めっちゃ好きです!!凪くんの名前、誠志郎ではなく誠士郎だったかと…?細かくてすみません、更新頑張ってください! (2023年3月19日 10時) (レス) @page1 id: 29505dca5f (このIDを非表示/違反報告)
きむち - お話どタイプすぎます!更新頑張ってください^_^ (2023年3月18日 22時) (レス) id: 2005fa66b5 (このIDを非表示/違反報告)
YUY - ああなるほどこの作品神だな。絶対伸びるわこの時点で口角天井さしそうだもん。更新頑張ってください。応援してます! (2023年3月18日 21時) (レス) id: 2b504e2cbc (このIDを非表示/違反報告)
39( ˇωˇ )(プロフ) - 素敵すぎます…凪のお話…うわぁぁぁぁ() (2023年3月18日 15時) (レス) @page3 id: cc339ad03d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水晶 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年3月17日 23時

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