記憶が消えばいいのに8 ページ10
誰もいない廊下をひたすらに歩く。
結局、あの後言い合いがヒートアップしそうな先輩達を止めるために「私、今日用事あるの思い出したので皆さんで行ってきてください。」と言いくるめた。
歌姫先輩、家入先輩、桃音先輩は納得してないような顔をしていたけど結局5人で出かけて行った。
……これでいい、これでいいの。
私が我慢すればいいから。
高専にいる男の人はほとんど苦手だけど、女性は好き……優しいから。
貴「………あ、」
武器の手入れでもしようか、と武器庫に向かってるんだけど………。
七「…………ぁ、」
七海くんに会ってしまった………。さっき「必要最低限話しかけない」って言ったから気まずい……。
でも彼とは『必要最低限話さない』って話したばかりだし……。
いきなり話しかけられても困るだろうし
何より話したくないからいいかな。
またお小言を言われるのは嫌だ。
そう思って彼の横を無言で通り過ぎる。
彼との距離が近くなるその時彼の口がかすかに動いた。
七「…………なんでここにいるんですか?」
訳が分からない。………今朝のこと覚えてる?
『必要最低限なことしか話さない』って言ったのに。そして貴方達もそれを望んでるんでしょ。
なら、話しかけないで欲しい。
貴「……………必要最低限の会話かな?これ。」
視線だけ、流して背中を向ける。………早く武器庫に行かなくちゃ。
七海くんは何故か酷く傷ついた顔をしていた………気がした。
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