記憶が消えて〜Noside〜 ページ16
「すみません……だれですか?」
ベットに横たわる彼女から発せられた言葉に皆目が点になる。
家「誰って………、頭でも打ったか?」
1番近くにいた家入が彼女の頭を触りながらつぶやく。その本人……鳴宮はぽかんとしている。
貴「……頭?いいえ……打ってないですけど、」
まるで『知らない人達に囲まれた』というふうに周りを見渡す鳴宮。
仲の良かった家入でさえも初対面、という瞳で見られて思わずたじろいだ。
桃「嘘………、なにかの冗談だよね、Aちゃん。………ねぇったら………。」
ピンクの髪を揺らしながら涙を浮かべる桃音。声も少し……いやとても震えてしまっている。
貴「………すみません、えぇと………、な、なかないでください。」
困ったように眉を下げながら口を開く鳴宮にここにいる全員が心が締め付けられる。
ーーー自分が1番大変に違いないのに、人の心配までするなんて。
みんな、同じことを思っただろう。
歌「………A、ごめんなさいね。………私が、私のせいで、……私が……。」
うわごとのように呟きながら頬を撫でている歌姫。彼女も鳴宮のことを気にかけていた。
元より、責任感が強くて後輩想いなこともあり、かなり責任を感じてるみたいであった。
貴「あなたの、せいじゃありませんよ。……覚えてないので確証はありませんけど。」
少し、……微笑む彼女が前の彼女と重なりまた歌姫の涙腺を刺激する。
五「………俺、お前になんてこと、」
どれだけ後悔したとしても遅かった。
夏「君に本当のことを言えばよかった………。」
どれだけ涙を流しても遅かった。
灰「まだ俺、君に聞きたいことあったのに……!」
人はどうして、
七「明日、謝ればいいやって思っていました……。」
変わらない明日があると信じられるのだろう。
ーーーそんな保証どこにも無いのに。
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くらげ(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました🥲思わず主人公とキャラとの関係が程よくて好きでした……(><)読みやすくて良かったです。 (7月27日 22時) (レス) @page49 id: a9ba311e8f (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - しろりんさん» 間違っていました、訂正しました。ありがとうございます。 (7月24日 20時) (レス) id: 965d102c72 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - すみません…間違えました…ページ47でした…。😖🙏🏻 (7月24日 20時) (レス) @page47 id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - しろりんさん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (7月24日 20時) (レス) id: 965d102c72 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - ページ46で『家入先輩』が2つあります…。『歌姫先輩』ですよね…?😳 (7月24日 20時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
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