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5:興味 ページ6

真っ暗な廊下を、私は蝋燭を持ちながらさまよっていた。喉が渇いて寝付けないので水を飲みたいのだが、この広すぎる屋敷のどこに台所があるのかわからないのだ。
しばらくして明かりが漏れている部屋を見つけた。ひとつの大きな影がある。夏油様だ。




「……あれ、Aじゃないか」

『なかなか寝付けなくて、お水を一杯飲もうかと』

「それなら私が汲んでこよう」




その椅子に座りなさい、と夏油様が指をさしたそれに腰をおろす。ちらと彼を横目に見ると、いつもの柔らかな雰囲気と違って、少し大人びた表情をしていた。
彼はまだ18歳。もう18歳と形容する人もいるかもしれないが、普段あまり見せないお茶目な人柄のことを考えると、彼が世間から見れば高校生なのだと改めて認識する。


ただ、その歳に対して今日の行動は伴わない、と勝手ながらに思った。
自分の誕生日さえ分からないが、私はきっと夏油様と同い年くらい。もし彼と同じ立場に立ったら、私は自分の目的のために両親を殺めることが出来るのだろうか。たった1人の親友を裏切ることは……いや、私には両親も親友も居ないから分からない。
あの時の心情は、夏油様しか分からないのだ。


そう考えた結果、私は自然と彼に問うた。




『傑は……どうしてそこまで出来るの?』

「……何故それを聞く?」

『ただ、知りたかったの。貴方が何を考えているのか』




夏油様の瞳を真っ直ぐに見つめると、彼は少し頬を緩ませた。
ゆっくりと、彼の口が開く。

6:通過点→←4:その瞳に映るもの



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設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , ヤンデレ   
作品ジャンル:アニメ
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異端(プロフ) - 凄くどストライクな作品です!!更新楽しみにしてます! (2021年4月11日 2時) (レス) id: 22d2735c29 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 金魚きんぎょさん» 読んでくださりありがとうございます!完結まで頑張ります! (2021年1月4日 22時) (レス) id: 88753b0337 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 勿忘草さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます! (2021年1月4日 22時) (レス) id: 88753b0337 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 天 元なっつ。さん» そう言ってもらえると自信つきます!ありがとうございます(*^^*) (2021年1月4日 22時) (レス) id: 88753b0337 (このIDを非表示/違反報告)
金魚きんぎょ(プロフ) - この作品好きです!更新楽しみにしてます!! (2021年1月1日 23時) (レス) id: c103e928da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちご | 作成日時:2020年12月31日 16時

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