12:罠 ページ13
初めての感触に目眩がする。
どうやって息をするのか、いつまでこれを続けるのかも分からない。私はただ目の前の状況をのみ込むことに精一杯だった。傑の洗ったばかりの髪の毛が頬にあたって擽ったい。
だんだん視界がぼやけてくる。酸素が欲しい。彼の厚い胸板を叩くと、ようやく離れてくれた。床にできた影も2つに分かれる。
「じゃあ、明日迎えに来るから」
『う、うん……?』
迎えに来る?またどこかへ連れて行ってくれるのだろうか。
さっきの口付けのせいで頭が上手く働かない。明日はどこへ行くのかな、また手を繋げるのかな、なんて柄でもないことを考えてしまう。
東京へ行った時と同じ感覚。嬉しくて、少し照れくさくて、これがずっと続けばいいのにと切に願う。
これが幸せというのだろうか。明日傑に聞いてみよう。
まだ出かけるとは決まっていないのに、もう明日話したいことを考える。自分は結構浮かれてしまう方だと、この日、初めて知った。
____次の日、私が望んでいた幸せは消え去った。
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異端(プロフ) - 凄くどストライクな作品です!!更新楽しみにしてます! (2021年4月11日 2時) (レス) id: 22d2735c29 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 金魚きんぎょさん» 読んでくださりありがとうございます!完結まで頑張ります! (2021年1月4日 22時) (レス) id: 88753b0337 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 勿忘草さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます! (2021年1月4日 22時) (レス) id: 88753b0337 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 天 元なっつ。さん» そう言ってもらえると自信つきます!ありがとうございます(*^^*) (2021年1月4日 22時) (レス) id: 88753b0337 (このIDを非表示/違反報告)
金魚きんぎょ(プロフ) - この作品好きです!更新楽しみにしてます!! (2021年1月1日 23時) (レス) id: c103e928da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご | 作成日時:2020年12月31日 16時