私、上司と結婚するみたいです。

先輩の魔法 ページ12

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北山「相変わらずだな」




春木「ちょっと、そこは綺麗になったね、とかでしょ、普通」




北山「お前に言えるか、ばか」





春木「宏光も相変わらずなんだから」






「ひ、ひろみつ…？」




…なんか呼び捨てで呼んじゃってますけど？



私だってまだ“先輩”呼びを克服できてないっていうのに



春木さんはいとも簡単に先輩のことを呼び捨てで呼んでる。





はな「怪しいね…」




「わっ、はな！」




はな「仲良すぎない？同期だったのかな？」




「だよね…どういう関係なんだろう…」




はな「先輩に聞いてみれば？」




「無理だよ！私なんかが…そんな…」




はな「彼女でしょ？何言ってんのよ！」




「それは…そうだけど…」






でも、お互いが両想いになってから付き合ってるわけじゃないし



所詮お見合いだし…



先輩は“好きだ”って言ってくれたけど



あのときの雰囲気で言っちゃっただけかもだし



もしかしたら、私ってからかわれてるだけなんじゃ…？





「ちょっと…トイレ行ってくる…」




はな「え、大丈夫？」




「うん、大丈夫」






春木さんと先輩が仲良くしている光景を背に向けて


トイレがある方へと歩いていく。





別に、妬いてなんかいない。



そうだよ、たかがお見合いじゃん。



私は、先輩にからかわれてただけ。



きっと先輩の前に綺麗な人が現れたら、私のことなんて忘れてしまう。



先輩にとって私なんか忘れちゃうくらいの存在なんだ。





そう自分に言い聞かせているのに。



言い聞かせているはずなのに




なんで、こんなに胸が苦しいの。




先輩は私に一体なにをしたの。




私に魔法でもかけたんですか、先輩。




まだ三週間しか経っていないのに




なんで頭の中、こんなに先輩でいっぱいなの。





分かんないよ、先輩。









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