第三章政略的許嫁【神威】 (ページ43)

今日:13 hit、昨日:24 hit、合計:31,501 hit

＃40　誕生日記念！ページ43

神威side

薄い暖簾？みたいなの潜って上がった先は、うん……まぁ…シンプル。
10年前から変わってないな。
変わってるのは机に置いてある書類の量だ。

シングルベッド一つにテレビ、二人掛けソファ、端っこの方に書類が積みあがった勉強机と椅子。
それとベッドの近くにタンスと小さい冷蔵庫がある。
可もなく不可もなく普通の部屋。

『えっ、神威なんで入ってきてるの？！』

タンスを漁っていたAが物音に気付いてこちらを振り返る。

神威「許嫁なのにダメなの？」
『幼馴染ね？それとダメ』
神威「えー、ケチー」
『ケチで結構！』

そう言ってまた振り返り、何かを探している。
開けているのは小物入れ…？かな。

『あ、あったあった！』

そういった手に持っていたものは……

神威「ヘアゴム？」

Aが持っている紫と水色の糸が編み込まれたヘアゴム。
ヘアゴムってことは俺へのプレゼント？

神威「これがプレゼント？」
『そ。いいでしょ～』
神威「え…でもこれさ、去年もこれじゃなかった…？」