#41 誕生日記念! ページ44
神威side
神威「え…でもこれさ、去年もこれじゃなかった…?」
俺の記憶が正しければ、去年もヘアゴムもらった気がする。
『え…そうだっけ…』
神威「今つけてるのが去年貰ったやつ」
そういいながら自分の髪の三つ編みの先端をAに見せる。
『えぇ〜やっぱ違うでしょ。私、この色のヘアゴムは作ってないもん』
神威「毎年作ってたの?」
『だって、手作りの方がいいじゃん』
Aは優しいなぁ。
『ほら、こっち来て』
と、ベッドに腰かけたAがおいでおいでと手招きをしている。
座ればいいのかな?
神威「なーに?」
と、Aの隣に腰掛ける。
『編んであげるよ、ソレ』
と指さしたのは俺の三つ編み。
神威「ホント?」
『うん。いつぶりだろう…』
神威「小さい頃はよくAにも結んでもらってたなぁ」
『はは、懐かし』
ちっちゃいころからAは髪が短かったから、編んでみたいって言いだしたのがきっかけだった。
最初は下手だったけど、毎日編んでいくうちにだんだん上達してきて、しまいには編み込み?も出来るようになっていた。
神威「あ、編み込まないでね?」
と忠告しながら髪を解く。
『うん』
解いたヘアゴムを自分の膝の上にのせて、Aに背中を向ける。
『相変わらず髪、長いね〜』
神威「そろそろ切らなきゃねー」
そんな他愛もない会話の最中、髪を優しく編んでいくA。
神威「手つき、優しいね」
『綺麗な髪だもん。慎重に扱わないと』
どれぐらい時間が経ったのかな。
しーんと静まり返った部屋で髪を編む音だけがする。
さすがに気味が悪い。
神威「できた?」
『うん、いい感じ』
神威「見せて」
と、先ほどまでAの手にあった髪を渡してもらう。
編んでもらった髪は綺麗に整えられていて触ると、さら、と効果音が付きそうなほどだった。
神威「こんなのだったら毎日編んでもらいたいな」
『そう?でも江華さんよりは下手だよ』
神威「うん。そうだね。母さんの方が上手いや」
『え、肯定するの』
神威「当たり前じゃん」
でも、久方ぶりにAに髪を編んでもらえて嬉しかったよ。
ありがとう、A。
____どういたしまして
神威「A、なんか言った?」
『何も?』
52人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うゆに塩湖 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2021年1月16日 14時