今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:178,709 hit
小|中|大
何も知らない1 ページ3
「今日も、帰ってこなかったなぁ」
いつものように二人分作ってしまい、余ってしまった料理を冷蔵庫へしまう。
これが日課になった。
片付けを済ませ、自分の部屋へ向かう。
必要なものしか無い広い家の端、小さな部屋に駆け込む。
扉を開ければぬいぐるみの山。
その中心に置かれた布団へダイブして一番のお気に入り、猫のぬいぐるみを抱きかかえる。
「明日は、帰ってきますように。」
自分の体温で温かくなったぬいぐるみと眠りについた。
「やっぱり、Aの料理はおいしいね。」
見慣れた食卓が、その存在だけで温かくなる。
――毎日続けばいいのに。
――ずっと、一緒にいたいのに。
でもこんな願いが叶う筈がない。
だってこれも、
目の前の景色が歪む。
大好きなおにいちゃんの顔も歪んで、黒い塊へと変わった。
――夢、なんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
509人がお気に入り
509人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:詩織 | 作成日時:2016年11月6日 11時