21.赤い糸があるなら青もあるはず ページ21
そして青もあるなら紫も…って、キリがない。
・
「運命だよ、爆豪くん」
「きっっしょく悪いな、死ね」
会話開始早々この暴言。既に私のライフが半分削られた。半分で済んでいるのは彼と過ごしてきた歳月のおかげである。
めげない。会話を成立させてみせる。緑谷くんには劣るが君とは深い仲にあるんだ。(ちなみにこれ言うとガチギレされる。もっとあの子に優しくしてやれって。)
「これは決して偶然なんかじゃないんだよ、爆豪くん。私たちには繋がった何かがある」
「頭沸いてんのか」
「赤い糸はちょっとアレだから、青い糸だと嬉しい」
「ンだアレって。俺ァ何だろうとお断りだわクソ」
「ねえ、せめて顔上げてくれない？そこまで露骨に目を見てくれないのはちょっと寂しいよ？？？？」
何故か真顔でスマホ画面をスクロールし続ける爆豪くんとは目が合わない。しかし彼の優しいところだが、相応の暴言は返ってくるため一応は話を聞いてくれている。優しい。言葉は優しくないが。
どうやってこっち向かせようかと考えだした矢先、にんまりと笑った上鳴くんと麗日さんがこちらへ来た。
「ちょっとちょっとAさぁん」
「え、なに、こわい」
「いやいやぁ、無自覚とは…ねぇ上鳴くん？」
「そうですねぇ麗日さん」
えっちょっと怖い。
なに？怖い。
私が怪訝そうに眉を顰めると、上鳴くんが目を細めて笑った。
「今の、プロポーズじゃね？」
「プロポーズじゃないよ！！！！」
・
(青い糸、仲悪そうって意味だった)
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作者名：- | 作成日時：2017年8月15日 6時
