2.10 ページ41
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『久しぶりだね』
2月10日。それは俺がジャニーズへ入所した日。
記念日とか、あまりこだわるタイプじゃないけど、この日は特別。
『草すごいね(笑)』
この日は必ず両親、そしてばあちゃんの墓参りをするって決めている。
あとは、誕生日と命日。年に3回しか来ない俺は不孝者なのかな。
けどあまり来すぎると、俺は弱いから甘えてしまう。
だからこのくらいがちょうどいいかもしれない。
『もう19年経つんだって、ばあちゃん』
あの日、ばあちゃんがオーディションに連れてってくれなかったら。
履歴書を事務所に送っていなかったら。
今の俺は存在しないだろう。
きっと、屍のようになんの目的もなく、生きていた。
誰とも関わらず、ずっと1人で。
『…ありがとう』
俺をジャニーズに入れてくれて。
そのおかげで、素晴らしい人たちと出会って、
家族みたいな人と出会えて。
『俺、今すごい幸せだよ』
じゃあ、また夏に。
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黄「ただいまー」
『おかえり〜』
俺は今日1日オフで、淳太は取材が1件。
黄「お、今日めっちゃ豪華やな」
『暇だったからさ、作りすぎちゃった』
黄「え！ブイヤベースあるやん！！」
『そそ！今日電話したから作り方聞いちゃった』
淳太のお母さんから教えてもらったブイヤベース。
淳太のお母さんとは結構連絡をとっていて、
俺のこと実の息子のように可愛がってくれる。
今日俺の入所日ということは、淳太もそうなわけで。
まあ、そんなこと忘れてるっぽいけど。
てか普通気にしないのか。俺が珍しいだけで。
『準備するから着替えてきて！早く食べよ』
黄「おん、あ、忘れとった」
そういって淳太が冷蔵庫に何かをしまった。
『なーに、それ？』
黄「んー、秘密」
ご飯食べたあとでな、と淳太は言って着替えるために部屋へ消えていった。
黄「Aきて〜」
食後、片付けは淳太に任せてテレビを見ていると、
ダイニングから淳太に呼ばれる。
『なにー、ってこれ』
黄「まあ、2人やから小さいやつやけど」
そこには〈祝19年！〉と書かれたプレートが乗ったケーキ。
黄「俺と、Aがこの世界に来たってことで」
『…覚えてたんだ』
思わず思っていたことを伝えると、
淳太は目をぱちくりさせたあと、ふはっと笑った。
黄「あたりまえやん！」
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中間淳太さん入所19周年おめでとうございます。
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作者名：ぽんこつ | 作成日時：2022年1月11日 15時
