帝の門と吸血鬼 第二章

六十帝 ページ12

こんな、甘い感情は捨てようかな
邪魔でしかないことは知っているよ
真昼を見ていて哀れに思ったから
グレンを想い過ぎて鬼になった少女
無様、があっているのだろう

主「炎欄朱、私は吸血鬼になった方が
幸せになれるのかな？」

炎【あぁ、そうだろうね
人間の醜い争いに付き合わなくていい
自分の生きたいように生きれるしね】

吸血鬼になることが何を示すのか
人間を完全にやめると言うことだね
血を啜って生き続ける化け物になる
私はまだ血を吸っていないからね
人間である、とまだ言える範囲だよ

血を吸うことで吸血鬼になれる
永遠に歳をとることのない不老の者
今の七倍にまで身体能力は跳ね上がる
ただでさえ、改造された化け物なのに
さらなる高みへと登れるんだけど……

主「この戦いが終わったらいいんだけど
そうなると、その先は個人自由だし」

普通の人間に戻ることはできない
なら、鬼か吸血鬼になろうと思うの
人間じゃ駄目、愛してくれない
愛してくれないなら愛せないからね
私は、与えることしかできない
受け取ることには抵抗ができている
愛は偽りだと知ったから

あぁでも、クローリーは別かな
心で感じるほど愛してくれたんだ
感謝してるけど、まだ駄目なんだよ
この腐った世界を正しくしないと
私が求める平穏は訪れないと思うから
死んでも、死んでしまってもいいから
君達だけは生きてよね、バーカ

六十一帝→←五十九帝 ？？？SIED

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