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それからは神ちゃんの目に留まる甘いもんを片っ端から買って、どうせあとでしょっぱいもんも欲しなると思ってたこ焼きも買った。
人波から抜けてたまたま空いてた脇の方に設置されてるベンチに腰掛けて買ってきたものを広げる。
ちっちゃい子みたいに目キラキラさせてクレープにかじりついた神ちゃん。
口の端に生クリームがちょこんとついて、そのへんの女子よりもあざとかわいいことするし困ってまう。
ついてること教えたら恥ずかしそうに舌で掬うところまでがワンセットでかわいいねんけどな。
片手にはチョコバナナも持って、暑いからかまわりのチョコがはやくも若干溶け出してる。
慌ててそっちにかじりついた神ちゃん、ほんまに幸せそうに食べるから見てるだけでこっちまでお腹いっぱいなるよなぁ。
「 食いしん坊さんやなぁ 」
「 こういう時くらいええの! 」
「 はいはい、ほらぁ、チョコついてんで? 」
神ちゃんが舌で舐めとってまう前に指で拭ってやってそれをぺろりと舐める。
口の中で微かに広がったチョコ味。
ほんのちょっと舐めただけのそれも酷く甘く感じる。
「 あ、あんまかっこええことせんでっ 」
「 なんやな、恥ずかしいん? 」
「 おればっかキュンキュンしてる! 」
「 別にそんなこと、」
「 あーー!!みっけた!神ちゃんおった!! 」
恥じらいを感じる様子にからかうとほんのりと顔が赤らんで、ちょっと逆ギレ気味な神ちゃん。
おればっかなんて言うけど、俺だってずっと心臓飛び出しそうなくらいにうるさいねんで?
ぷりぷりしとる神ちゃんのご機嫌をとろうとした時やった。
聞き覚えのあるバカでかい声が聞こえてきて、声の正体の方を向いたらぞろぞろと後ろに年上らを連れてこっちに向かってくる小瀧の姿があった。
腕を組んでゆっくりと歩いてくる熟年夫婦みたいな雰囲気のある照史と淳太に、申し訳なさそうな顔で小瀧に引っ張られてきたはまちゃんと、よぉ、って呑気に手をあげて挨拶してくる流星。
いや、なんとなく予想はしてた流れやけど!
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作者名:いえやす | 作成日時:2022年5月24日 21時