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けど、キスしてくれるってことはやっぱりしげもおれと同じ気持ちなんやってわかって酷く安心したのも事実やった。
やっと聞けた俺だけに向けられた好意。
その場で飛び跳ねてしまいたいくらい嬉しくて、けどいざ言葉にされたらちょっと小っ恥ずかしいて逃げそうになった。
そんなおれを離そうとせえへんしげ、急にいじわるモードになって、やけに男らしくておればっか胸が高鳴ってずるいねん。
でもおれだけ言葉にせえへんのはもっとずるいし、ずっと心に秘めてたこの想いももう縁ギリギリまでやってきてて今にも溢れそうやってん。
音となってしげに伝わった想い。
それに応えるみたいにしげがゆっくりと近づいてくるから、おれはついついその逞しいからだを突っぱねてまう。
やって、両思いってわかった上に蕩けそうな優しい瞳に見つめられながらさっきみたいなキスされてみ?
次こそおれほんまに失神してまうもん。
そんでも、子供みたいに拗ねた表情でじいっと見つめられたらおれの良心がちょっと傷むやんか。
やからその尖った唇にちょっとしたプレゼント。
今のおれがしげにあげられる精一杯の愛情表現、ちゃんと受け取ってよ?


「 ..........っ、いま!今、キスした?! 」
「 はい、勉強再開すんで!休憩おしまい!」
「 んも!ほぉんまこの子は...... 」


一瞬だけ、ちっちゃい子がするようなほんの一瞬だけ触れるキス。
たったそれだけで唇が熱くなって全身を駆け巡る血液。
しげがなんか言うてるけど聞こえてないふり。
そうやってずっとおれでいっぱいになって、振り回されててよ。
なんて考えながらとっくにやる気のない勉強に向き合うんやった。




fin



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作者名:いえやす | 作成日時:2022年5月24日 21時

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