昔の恋をもう一度（濵） (ページ6)

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Aちゃんが運転する車の後部座席に
花を乗せ、俺は助手席に乗り込む。

女の人が運転してる車の隣に乗ることなんてあまりないから
何だかどこを見ていいかわからず、
ただただ周りの景色を見ている風を装った。

「ごめんね…、まだ居たかったんじゃない？」

「いや、明日も仕事やから
早よ帰らなあかんなって思ってるところやったんよ。

やから、ほんま助かったわ」

そう言ってみせると、
安心したように顔が綻ぶ。

「よかった…」

人のことを一番に考えられる人なんやな。

「Aちゃん、モテるやろ？」

思ったことをそのまま口にしただけの
大した言葉ではなかったが、
Aちゃんにとっては突拍子もないことだったらしく、
「え！？」なんて少し抜けた声を出した。

「モテないよ！

モテるのは濵田くんの方でしょ？
テレビ映ってるの観たけど、
めっちゃかっこよかったもん」

お世辞かもしれないが、
俺は飛び上りたくなるほど嬉しくて、

「モテへんよー」

なんて笑いながらも
ニヤニヤが止まらない。

その姿をちらりと見たAちゃんが
クスクス笑いながら

「その顔は絶対嘘やー笑」なんて言う。

距離が縮まったように感じて、
さっきの緊張もなく
普通に昔からの友だちのように
話せるようになった。