昔の恋をもう一度（濵） (ページ4)

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「A」

そんな呑気な俺の思考を止めたのは、
男の野太い声。

Aちゃんを呼ぶその声に振り返ると、
俺と変わらない身長のごつい男が
Aちゃんを見下ろしていた。

「んー、だれだっけ笑」

「嘘やろ！？
一時でも付き合った男のこと覚えててや笑」

「あ、分かった！

ごめんごめん、
大人っぽくなってたから誰かと思った笑」

楽しそうに話している2人。
元彼ってことやんな。

完全に2人の空間。

どうしよ。

このまま2人で盛り上がって、
昔話やら酒やらが進んで、
いい感じになって、
昔の熱が帰ってきて、
Aちゃんがお持ち帰りされたら…。

一晩の過ち？

「大人っぽくなった俺に惚れ直した？」

にやりと笑って言う男に、
Aちゃんが笑いながら

「ありえません」

と言う。

一晩の過ちはないらしいが、
それでも完全に嫉妬してる俺。

高校時代の友だちに会うと、
気持ちや思考まで高校生に戻るらしい。

俺は完全に年齢とは不釣り合いな
ガキンチョな考えで嫉妬している。